ライアン小川 セ52年ぶり快挙へ故郷で「初心に帰る」

[ 2014年1月5日 05:30 ]

母校・赤羽根中学校の校庭でキャッチボールをするヤクルト・小川

 目の前に広がる太平洋。サーファーたちを横目に見ながら、ヤクルト・小川泰弘投手(23)が4日、原点の砂浜を一歩一歩、踏みしめた。地元の愛知県田原市内で自主トレを公開。母校・赤羽根中でキャッチボールなどを行った後、赤羽根海岸で砂浜ダッシュも行い「自然の中で走れるのが気持ちいいし、学生時代から使ってきた砂浜。初心に帰るということです」と汗をぬぐった。

 左足を高く上げる独特なフォームで「和製ライアン」と称され、昨季は16勝でセ最多勝を獲得、新人王にも輝いた。現在のフォームになったのは創価大3年時だが、「投手は下半身が大事」と小学時代から続ける砂浜の走り込みが、小川の強じんな下半身をつくり上げた。

 昨年12月28日に帰省後も、祝賀会などで大忙し。もともと酒は好きだが「飲み過ぎてはいけない」と自らを律するなど、2年目へ油断はない。新人から2年連続最多勝となれば史上5人目の快挙。「やるからには獲りたい。一番はリーグ優勝ですが一試合一試合投げて、その結果付いてくれば」と誓った。さらに「防御率1点台」と「200投球回」も宣言。そのためにも「落ちる球の精度と、内角の精度を上げること」と課題を挙げた。昨年の秋季キャンプから取り組んでいる新球がスプリット。昨季パ最多勝で24勝無敗だった楽天・田中が武器とした変化球で、小川も完全習得を目指す。

 「昨年のことは忘れてガムシャラに戦っていきたい」。赤羽根海岸から見える海。小川は目に焼き付けながら言った。

 《権藤以来》昨季の小川(ヤ)は史上11人目の新人最多勝に輝いた。今季も獲得し、新人から2年連続最多勝となれば、99~01年松坂(西=3年連続)以来史上5人目。セでは61、62年権藤(中)に次ぎ52年ぶり2人目の快挙となるがどうか。なお、最多は90~93年野茂(近鉄)の4年連続。

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