阪神・安藤 苦しかったあの時を支えてくれた亡き祖父へ「いい年に」

[ 2013年12月31日 09:14 ]

他界した祖父に捧げる活躍を誓った安藤

 阪神・安藤優也投手(36)が30日、プロ13年目を迎える来季に向け、11月末に他界した祖父にささげる活躍を誓った。

 「活躍を楽しみにしてくれていたと思う。大学の時も生活面で助けてくれた。本当にお世話になった」。悲しい知らせが胸を締めつけたのは約1カ月前のこと。父方の祖父、安藤嵩(たかし)さんが、肺炎のため94歳で天国へ旅立った。

 「じいちゃん、ばあちゃんにはお世話になった。私立大だったし。大学の時、金銭面で援助してくれた。夏休みとか冬休みとかに帰ると、お小遣いをくれたんだよね」

 大分雄城台高時代は県ベスト8が最高と、さしたる実績がなかった。故郷を離れて東京六大学リーグの名門・法大へ進んだが、試合メンバーを中心に部員の3分の1しか入れない野球部寮の部屋はあてがわれず(法大は現在は全寮制)、神奈川県川崎市内のアパートで独り暮らしをした。毎日の厳しい練習を終えて帰る場所は、家賃4万円、風呂なしの部屋だった。

 「バイトも禁止だし、親に仕送りしてもらっていた。学費も食費もギリギリでやっていた」。そんな中で、大分の祖父母には物心両面で支えてもらった。生活費が必要な時、帰省時に渡してくれる小遣いが、どれだけありがたかったか―。プロ入り後も、いい時も悪い時も、変わらず応援してくれている人たちの存在が大きな支えだった。

 「本当、いい年にできるといいな」。そう寂しそうにつぶやいた言葉に、思いがこもった。年越しは地元で迎え、霊前に手を合わせる。感謝を力に変え、来季は自己最多58試合に登板した今季以上の活躍を届けてみせる。

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2013年12月31日のニュース