恩師の前で宣言 隼太「100試合以上出場&3割」

[ 2013年12月31日 05:30 ]

オフの間も鳴尾浜で体を動かす阪神・伊藤隼

 2人の恩師に誓い納め―。阪神・伊藤隼太外野手(24)が30日、「100試合以上出場で打率3割以上」という来季目標を明言した。安芸秋季キャンプから指導を仰いでいる掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(DC=58)と固く約束。さらに、先日再会した慶大時代の師匠・江藤省三氏(71)にも堂々と宣言した。苦渋の2年間は過去の話。いよいよ本領発揮の年を迎える。

 意識を根底から変えた。数字を聞いた江藤氏は若干目を丸くし、伊藤隼を大学時代からよく知る友人は「伊藤がこんなこと言うのは初めてですよ。今までなら絶対になかった」。大口でも自信過剰でもない。確かな手応えがある。11月1日の秋季キャンプ初日で掛布DCと出会ってから2カ月。確かに生まれ変わった24歳がそこにいた。

 「今年は100試合以上出て、打率3割以上打ちます。掛布さんと約束したので。どんどん言って、自分に(できると)思い込ませようかなと」

 苦しみ抜いた2年間だった。12、13年シーズンとも開幕1軍入りを果たしながら、何度も2軍との往復を経験。「定着」と呼ぶには寂しい数字だけが残った。チーム随一の練習量も、それが結果に結びつかない。もどかしい日々の中、掛布DCが就任。すべてのエキスを吸い取ろうと決意した。これでダメならあきらめがつく―。そう思えるほどの存在だった。

 「掛布さんは現役時代、中西太さんと山内一弘さんの教えを受けてきた。だから、理論もはっきりしている。でも、かといって、それを押しつけることもない」

 「怪童」の異名を取った中西氏、「シュート打ちの名人」として鳴らした山内氏。背番号51は、2人のいいとこ取りをもくろむ。江藤氏も「中西は下半身、山内は上半身の使い方に優れていたからね」。愛弟子の“選択”に間違いはないことを強調する。慶大での自主トレでも、掛布DCに教わったことを継続しながら打ち込みを行った。

 母校では、同い年の伊場(日本製紙石巻)、後輩の福谷(中日)、竹内大(トヨタ自動車)、山崎(JX―ENEOS)ら、気心知れた面々と一緒に汗を流し、刺激し合った。舞台こそ違えど、それぞれの場所でもう一度てっぺんを目指す仲間たちの存在も大きい。

 「来年は必ず飛躍の年にします」

 不本意な虎1年目からの逆襲を期す福留、台頭する緒方、加えて俊介、柴田ら「右翼」のライバルは少なくない。だが勝ち抜く自信はある。掛布DCと江藤氏、師と仰ぐ2人の前で誓った大目標。確固たる信念を胸に―。新たなる日の出の時はまもなく訪れる。

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2013年12月31日のニュース