阿部 NYと松井の前で実感「小さなことで悩んでいた」

[ 2013年12月28日 05:30 ]

松井秀喜氏(左)の案内でヤンキースタジアムを見学した巨人・阿部

 巨人・阿部慎之助捕手(34)がスポニチ本紙の単独インタビューに答え、2年連続日本一を逃した今季を振り返った。レギュラーシーズンでは打率・296、32本塁打、91打点と中心選手として十分な成績でリーグ連覇へけん引したが、日本シリーズでは自らの不振が響く形に。頂上決戦の裏側での自身の葛藤、そしてその後のニューヨーク一人旅まで、移りゆく心の様を赤裸々に告白した。

 ――レギュラーシーズンは十分な数字だったが、2年連続日本一を逃した日本シリーズでは打率・091、0本塁打、1打点と振るわなかった?

 「シリーズ前に僕が言った言葉。僕が打ったら勝てる、打たなきゃ負ける、と。自分にいいプレッシャーになるかなと思ったんですけど、それが大失敗でしたね。追い込みすぎたというのもあるしチームメートも必ず見ているコメントなので。結局それがチームに悪影響を及ぼしてしまったので、凄く申し訳ない気持ちでいっぱいですね」

 ――周囲に関してみれば、逆にそれで奮い立つ部分もあったと思うが?

 「いえ、原監督には怒られました。これから勝負しようという人間が、負けるという言葉を出すなよ、と。勝負師としてね。日本シリーズの第4戦の前でした。気持ちだけ先行させてしまう自分の言葉を放ってしまい。悪い結果になっていき、焦りばかりが先行した。そこのコントロールが自分でもできませんでした。やっと周りを見てできるようになったのは第6戦くらいからでした」

 ――ケガに悩まされた昨年の日本シリーズとはまた違う苦しみだったと思う。良くも悪くも印象に残るシリーズでは?

 「そうですね、体は元気でしたけど。去年は事故というか、自分のケガで迷惑掛けましたが。今年は一番印象に残るかもしれない。この心境を、正直に自分で書き留めておかないと駄目だと思いました。新聞を見ながら1戦目こうだった、2戦目はこうだったなと。書き物はたまにしますが、今回ばかりは自分で真摯(しんし)に受け止めて振り返らないと。来年にもつながらない。野球人として必要なことだし、大事なことだと思うので。来年また同じことが起こらないとも限らないし、もし自分が指導者になり、そういう選手が出た時もそう。俺もこうだった、でもこうしたら楽になったとか。少しでも経験者として語ってあげられたら。多分、いい時って別に何も考えてないんですよね。体調整えておけばいいや、くらいにしか。駄目な時にどうするのかが大事ですから」

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