マー君 メジャー行ける!三木谷オーナーも移籍容認へ

[ 2013年12月18日 05:30 ]

報道陣の質問に答える楽天・田中

 楽天の田中将大投手(25)が17日、仙台市内の球団事務所で立花陽三球団社長(42)と会談し、今オフに新ポスティングシステムを利用しての大リーグ移籍の希望を伝えた。球団側は結論を持ち越したが、三木谷浩史オーナー(48)は最終的に移籍を容認する。この日発表された新制度による米球団との交渉は、10球団以上となることも予想され、中でも資金力があり住環境に恵まれるドジャースが有力候補に浮上。いよいよ田中狂騒曲がスタートする。

 ついに公の場でメジャーへの思いを口にした。テレビカメラ10台、報道陣50人が詰めかけた会見場。田中は前を真っすぐ見据え、よどみなく自分の思いを口にした。

 「入団して7年間。楽天イーグルスにお世話になり、育てていただいた感謝の思いと、自分自身の力を新たなステージで挑戦させていただきたいという気持ちを伝えました」

 約1時間に及んだ立花球団社長との直接会談では、まず最初に残留要請を受けた。これまでも非公式な会談で、来季も必要な戦力であると言われてきた。だが、24勝0敗1セーブで日本一にもなった。もう、やり残したことはない。「いろんなことを踏まえた上で、自分でタイミングといったらおかしいですけど決めた」と話し、今後、残留へ翻意する可能性を問われると「僕からそれ(残留)を言うことはないと思う」と不退転の決意を示した。

 一方の立花球団社長は結論を先送りにした。「残留のプライオリティーは最後まで一番高い。ただ、彼の要望に対してしっかり答えを出さないといけない」。田中の意向に待ったをかけて来季も球団に残した場合、楽天グループ全体のイメージに影響することも予想される。だが絶対エースを放出しチームの成績不振につながれば、楽天本社の株主の反発も招きかねない。

 最終判断は三木谷オーナーに委ねることになるが、関係者は「三木谷オーナーも最後は田中の思いを大切にすべきと考えている」と話しており、最終的には容認の決定を下す。譲渡金は上限いっぱいの2000万ドル(約20億6000万円)に設定。年内には争奪戦がいよいよスタートする。田中は希望球団について「特にありません」と白紙を強調したが、資金力が豊富で住環境にも恵まれているドジャースが、かねて熱心に田中の調査を重ねており、真っ先に名乗りを上げるとみられる。

 田中は今後、移籍への準備を本格化させる。「システムが決まってからと言ってきた。これから代理人も選定していければいいと思う」。仙台での自主トレでは大リーグ公式球を使った練習も開始できる。「(体の状態は)全然思っていたよりいい」。今季の激闘の疲れを抜くことに主眼を置いたトレーニングから、メジャーの舞台で戦うための体づくりに入っていく。

 「ファンの方々に自分は育てていただいたと思っています。選手、スタッフにも感謝の言葉しかないです」

 あとは球団の了承を待つだけ。11月3日の日本一から44日。胴上げ投手となったあの時に負けないくらい、田中の表情は晴れやかだった。

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2013年12月18日のニュース