育成の星だ!西野 球団史上最高500%アップ

[ 2013年12月13日 05:30 ]

伝統の背番号「29」を継承することが決定した西野は村田兆冶、小野晋吾の写真を手に笑顔。サンデー登板もまかせとけ

 ロッテの西野勇士投手(22)が12日、QVCマリンで契約更改交渉に臨み、今季の年俸440万円から500%アップの2640万円でサインした。育成選手から昨年11月に支配下選手登録され、いきなり9勝。94年に377%アップを果たした榎康弘を抜き、球団史上最高の上げ幅を記録した。さらに背番号も「67」からOBの村田兆治氏がつけていた「29」への変更も決定。雑草右腕にとってダブルの喜びとなった。

 「育成の星」に一足早いビッグなクリスマスプレゼントが届いた。1年で給料が実に6倍に膨れ上がった西野は、喜びを爆発させた。

 「6倍です。驚きました。こういう経験はまったくなかったですから。凄くうれしいです」

 過去の球団最高アップ率は、94年に榎(現球団広報)が年俸440万円から2100万円になった際の377%増。球団の歴史を塗り替えるとともに、今オフの球界最高の上げ幅となった。「榎さんが球団記録というのは知っていた。僕みたいに低い年俸の選手でなければ記録は超えられないと思っていた」。現在は普通自動車免許を取得中で「車が欲しい」と早くも上がった年俸分の使い道に思いを巡らせた。

 4年間の育成での下積みを経て、昨年11月に支配下登録選手に。今年4月8日の楽天戦(Kスタ宮城)でプロ初先発し、育成出身投手で史上初の初先発初勝利の快挙を達成した。その後は先発ローテーションの軸として、パ・リーグの育成出身投手で過去最多の9勝をマーク。「1年前は崖っ縁だったので、今の自分は想像もできなかった。いいシーズンでした」。自らの右腕でチャンスを生かし、人生を変えた。

 さらにうれしいプレゼントが用意されていた。かつて村田兆治氏らが背負った栄光の背番号「29」だ。今季限りで現役を引退した小野から「お前がふさわしい。29をつけてくれ」と番号の継承を打診されたという。「チームを支えてきた投手がつけてきた番号。その期待に応えたい」と西野は表情を引き締めた。

 今季はあと一歩のところで2桁勝利を逃した。「10勝できなかったのは悔しい。来年こそは2桁勝ちたい」。年俸が大幅アップした喜びと同時に、自覚と責任をかみ締めた。

 ▼ロッテ・榎球団広報 悔しさはないですね。成績を残しているし、文句のない活躍だった。来季も頑張ってほしい。

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2013年12月13日のニュース