マー君 縦スラ復活だ!メジャー右の強打者に効果絶大

[ 2013年12月7日 05:30 ]

最優秀バッテリー賞を受賞し盾を手にする(前列左から)広島・石原、楽天・嶋、(後列同)広島・前田健、楽天・田中

スポニチ制定「最優秀バッテリー賞」表彰式

 スポーツニッポン新聞社が制定する「2013プロ野球最優秀バッテリー賞」(協力・一般社団法人電池工業会)の表彰式が6日、東京都文京区の東京ドームホテルで行われた。パ・リーグは日本一に輝いた楽天・田中将大投手(25)と嶋基宏捕手(28)、セ・リーグは前田健太投手(25)と石原慶幸捕手(34)が受賞。スポーツニッポン新聞社の森戸幸生代表取締役社長から各選手に賞金100万円などが贈られた。今オフに大リーグ移籍する可能性がある田中は、来季に向けスライダーの復活、カットボールの進化を目標に掲げた。

 その瞬間、会場が沸いた。壇上で田中が「2年前にバッテリー賞を頂いた時は(選考委員の)張本勲さんに“20勝しなくては駄目だぞ”と言われたけど、今年は24勝しました!」と誇らしげにあいさつ。すぐさま張本氏から「あっぱれ!」と声が掛かると「ありがとうございます。あっぱれ、頂きました」と頭を下げた。

 19勝を挙げた11年以来の受賞。ただ同年は3月に東日本大震災が発生し、チームも5位だった。同年12月に都内で行われた授賞式。張本氏から「田中君には20勝してほしかった。19勝とでは社長と専務ぐらい違う」と声を掛けられた。その言葉は発奮材料となり、胸に刻まれた。その張本氏を「今年は文句なし。大あっぱれ」とうならせた。

 5日に新ポスティング・システム(入札制度)が日米間で基本合意した。メジャー挑戦の希望を持つ右腕は動向が注目されているが、「まだ正式に決まっていない」と締結していないこともあり、多くを語らなかった。

 ただ、来季にさらなる進化を遂げるため、目標と課題はすでに見つけている。「シーズン途中からスライダーが横回転になっていた。自分は縦に落ちなければ駄目」という。いまや140キロ台のスプリットが伝家の宝刀ではあるが、課題は「縦スライダーの復活」。今季途中から投じ始めたカットボールについても「まだ精度が低い」と自己評価し、球質の向上を目指す。大リーグには2年連続MVPのカブレラ(タイガース)、通算492本塁打のプホルス(エンゼルス)ら強打の右打者が並ぶ。メジャーは日本よりもストライクゾーンが外角に広く、スライダー、カットボールの精度を上げれば、右打者の外側に変化する軌道を持つ球種だけに対戦を有利に運べる。

 再び嶋との受賞。「高卒と大卒で違うけど、嶋さんとは同期入団。ずっとバッテリーを組んできて、今年は日本一にもなったのでうれしい」と、感謝のまなざしを女房役に向けた。

 ▽最優秀バッテリー賞 投手だけではなく、縁の下の力持ちともいえる捕手にもスポットを当てて球界最高の「バッテリー」を表彰する。投手は先発、救援で1年間を通じて活躍したことを最低条件とし、先発は10勝、リリーフは30セーブが目安。捕手はリード面や盗塁阻止率などを基準に選考される。今年で23回目。91年の第1回はセ・リーグが西村―古田(ヤクルト)、パ・リーグが工藤―伊東(西武)が受賞。

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