呉昇桓 “浪花節”だよ「6試合あるなら6試合投げる」

[ 2013年12月5日 05:30 ]

調印式を終え、阪神の背番号22のユニホームに袖を通した呉昇桓(左)と中村GM

 「球児超え」へ、鉄腕宣言だ。阪神は4日、韓国ソウル市内のホテルで呉昇桓(オ・スンファン)投手(31=前サムスン)と調印式を行い、2年総額8億5000万円(金額は推定)で正式契約を交わした。2012年まで虎の絶対守護神として君臨した藤川球児投手(33=カブス)と同じ背番号22のユニホームに袖を通した右腕は、「1週間に6試合あるなら6試合投げる」と力強く宣言し、藤川が持つシーズン46セーブの日本記録更新を視野に入れた。

 調印式の会場にはテレビカメラ12台、日韓120人もの報道陣が大挙、押し寄せた。呉昇桓は無数のフラッシュを浴びながら壇上の席に就く。動じない。表情にはまったくと言っていいほど動きがない。幾度となく窮地をくぐり抜けた百戦錬磨の最速157キロ右腕は、まさに「石仏」だった。

 「こんにちは。阪神タイガースの投手・呉昇桓です」

 この日、この瞬間に、「阪神・呉昇桓」が誕生した。その第一声。早くも心はタテジマ一色。その鉄仮面から「頼もしさ」がにじみ出る。そして、その言葉も力強い。

 「来季のセーブ数というのは、自分の口では言えない。ただ、自分が日本に行って“46セーブ”を超えることが出来た場合、阪神もいい成績を残しているということになる。球団のファンにも、喜んでもらえると思う」

 自らの使命は痛いほど分かっている。そう、あの絶対守護神だった藤川球児の穴を埋めること。いや、それだけでは物足りない。球児を超えてこそ海を渡った意味がある。07年に球児が記録した日本記録タイの「シーズン46セーブ」に照準を合わせるのは、自然の摂理だろう。それが「シーズン47セーブ」のアジア記録を持つ男のプライド。日本新記録の先に、日本一を見据える。

 「(1試合)最大4イニングまで投げたことがある。それ以上でも投げる自信はある。チームが必要とする時にいつでも投げるのが抑え。1週間で6試合あるなら、6試合投げる準備をします」

 チームの勝利のためなら、連投もいとわない。これほど頼もしい守護神が、かつて日本球界に存在しただろうか。中村GMも「日本球界における常識を覆してくれそうだな」とニンマリだ。

 「G封じ」の準備も万全だ。「巨人と阪神がライバルというのは聞いています」。その上で「阿部選手がいい打者であるということは(サムスンの同僚で元巨人の)李スンヨプからいろいろ聞いているし、いろいろ考えている。(巨人戦で)マウンドに立った時はかわすことなく、真剣勝負をしたい」と、真っ向勝負を宣言した。

 「日本でも最高の抑え投手になれるよう、阪神タイガースが優勝できるよう、一生懸命頑張りたいと思います」。韓国通算277セーブを挙げ、在籍9年間で5度、チームを韓国の頂点に導いた優勝請負人。来季、9年ぶりのリーグ優勝、29年ぶりの日本一を目指す和田阪神に、頼もしき守護神が加わった。

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