阿部 松井氏の帝王学学ぶ NY一人旅、現地で対面へ

[ 2013年11月30日 05:30 ]

松井氏に会うために渡米する阿部は搭乗口55、搭乗便がNH10便と両者の背番号がしるされた搭乗券を指さす

 巨人の阿部慎之助捕手(34)が29日、成田発の全日空機で米ニューヨーク入りした。現地では来春の宮崎キャンプで臨時コーチを務める予定の松井秀喜氏(39)と対面。巨人の生え抜きの大先輩でもある松井氏との会談で、何かを感じ取る構え。来季の日本一奪回へ向け単身、渡米した阿部主将が、頂上会談に胸を躍らせた。

 グレーのコートにジーンズ姿の阿部は、胸の高まりを抑えきれなかった。目的地は冬のニューヨーク。そして最大のイベントは大先輩の松井氏との対面だ。

 「日本では、ほぼ会えないじゃない。忙しい方だから。一人間、一野球人としても聞いてみたいことは多い。堅い話も聞いてみたいし、それ以外も含めてね」

 40年ぶりの日本一連覇を目指しながら、楽天に敗れた13年シーズン。オフに入った阿部が最も楽しみにしていたのが今回の米国行きだ。ニューヨーク訪問は安田学園3年の夏に父親と訪れて以来。だが、人生初という海外一人旅だけに、心を躍らせているわけではない。02年のシーズンを最後にFA宣言してヤンキースに移籍した松井氏と、じっくり話ができることが楽しみでならないのだ。巨人の生え抜きで一緒にプレーした現役選手は、もう高橋由、鈴木、加藤と阿部の4人だけ。その凄さを伝承できる人間は限られている。

 阿部はすでに松井氏へぶつける質問を用意している。「ワールドシリーズ勝ちました、MVP獲りました。その翌年のモチベーションは?どうやって持っていったの?そういうのを聞いてみたい」。その裏にあるのは今季、日本一を逃したことへの反省と不完全燃焼の気持ち。「(今年は)年が明けたら(WBCもあって)大忙しだったし、そこのモチベーションが違っていれば変わったんじゃないかな」と常勝を義務づけられているチームの主力の心構えを、素直に聞いてみるつもりだ。さらに「現役の間に子供が生まれていたらもっとやっていたのか」も聞いてみるという。

 来季の巨人は、もちろん日本一奪回が課せられる。主将としてチームをけん引するために、臨時コーチとなる松井氏との意思疎通も大事な仕事。「絶対、自分のためになって帰ってこられると思うから」と松井氏との対談で、何かを感じ取る。そう意気込んでニューヨークに足を踏み入れた。

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