菊池「ミスター赤ヘル」超え誓った Gグラブ11回以上獲る!

[ 2013年11月29日 10:02 ]

トロフィーを手に笑顔の菊池

ゴールデン・グラブ表彰式

 広島・菊池涼介内野手(23)が28日、東京都内のホテルで開催された「第42回三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式に出席。同賞の球団最多10回の受賞を誇る「ミスター赤ヘル」山本浩二氏(67)を超えることをプロ野球人生の目標に掲げた。驚異的な身体能力を武器に、広い守備範囲で初受賞につなげた赤ヘルの元気印。偉大な先輩に挑戦するための土台はできあがった。

 頭の中には偉大な先輩の名がインプットされていた。球団のゴールデングラブ賞最多受賞者を問われた菊池は間髪入れず、答えた。

 「山本浩二さんですよね? 10回。それを超えたいですよね。11回でも12回でも、1回でも多くもらって、球団の歴史に名を刻みたいです」

 プロ2年目で初めて、守備のスペシャリストに名を連ねた若鯉(ゴイ)。球団最多と同時にリーグタイの受賞回数を誇るミスター赤ヘルに挑戦する。

 充実の1年だった。走攻守3拍子を併せ持つ2番打者として、16年ぶりのAクラス入りに貢献。球団最多記録の50犠打を決めるなど、打線のつなぎ役として機能した。

 それ以上に特筆すべきなのが守備面だった。抜群の身体能力を発揮し、広大な守備範囲を誇った。二塁手のシーズン最多となる528補殺をマークして内野陣に安定をもたらした。それでも、菊池に満足感はなかった。

 「当事者からすればエラーはエラー。しっかりと受け止めて、限りなくゼロに近くしたい」。失策数はリーグワースト2位の18。守備範囲が広く、打球に追いつくからこその失策も多かったが、それを言い訳にすることはなかった。

 転機があった。5月7日DeNA戦(マツダ)。前田健が先発した試合で菊池は1試合3失策を犯し、試合も3―7で敗れた。「眠れなかったし、家で座ってボーッとしていました。“何でエラーしたんだろう”って。でも次の日、球場に行くと“いい経験だ”って言ってくれる方もいて、1人でへこんでいても、しようがないと思いました」。試合中には前田健から“次は頼む”と励まされ、翌日は周囲からも温かい言葉を受けた。「エラーを恐れず前に出る。怖がらない」と気持ちを切り替えるに至った。

 山本浩二氏の記録を目指すには打撃面、走塁面でも結果を残し、試合に出続けることが絶対条件でもある。「盗塁、打率、本塁打。何か1つ、丸を上回りたい。キクマルで切磋琢磨(せっさたくま)したい」。ともにゴールデングラブ賞を初受賞した僚友とともに、菊池が来季の赤ヘル軍団をけん引していく。

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2013年11月29日のニュース