西崎、佐々岡…ルーキー当たり年はタイトル逃した「悲劇の新人」

[ 2013年11月21日 05:45 ]

近鉄の阿波野秀幸と激しい新人王争いを繰り広げた日本ハムの西崎幸広

 高卒ルーキーながら球宴出場を果たした藤浪晋太郎(阪神)と大谷翔平(日本ハム)。チームのローテーションを支えた則本昂大(楽天)、小川泰弘(ヤクルト)、菅野智之(巨人)……近年稀に見る「新人のアタリ年」だった2013年、注目の新人王は11月26日のプロ野球コンベンションで発表されるが、結果が待ち遠しい。

 そして21日発売の野球雑誌「野球太郎No.007」(イマジニア株式会社ナックルボールスタジアム)ではさらに先取りし、「2014年新人王大予想」と題して毎年恒例の日本一気が早い新人王予想を掲載。来季の新人選手もセ・パとも即戦力が多く、今年同様デッドヒートになりそうな予感がある。

 人生で一度しか受賞できないプロ野球新人王。振り返れば、過去にも圧巻の記録を残しながら、時代に恵まれず新人王を逃した選手が数多く存在した。そんな「悲劇の新人伝説」を振り返ってみたい。

 ◎1987年/西崎幸広(日本ハム)
 阿波野秀幸(近鉄)とハイレベルな新人王争いを繰り広げたのが87年の西崎だ。15勝7敗、防御率2.89、176奪三振の好成績ながら、新人王には届かなかった。

 この年、阿波野は15勝12敗、防御率2.88と、勝ち星と防御率はほぼ互角。選考の決め手となったのは奪三振の数だった。西崎の「176奪三振」に対し、阿波野はリーグ1位の201奪三振。結果、落選した西崎にはパ・リーグ会長特別表彰が贈られた。

 ◎1990年/佐々岡真司(広島)、潮崎哲也(西武)・石井浩郎(近鉄)・酒井光次郎(日本ハム)
 13勝(11敗)17セーブと1年目から二桁勝利&二桁セーブの大活躍。それでも新人王になれなかったのが90年の佐々岡だ。この年、セ・リーグの新人王に選ばれたのは、中日のルーキー・与田剛。新人では史上最多となる31セーブを挙げ、最優秀救援投手に輝いたことが決め手になった。

 一方のパ・リーグも、潮崎が常勝・西武のセットアッパーとして防御率1.84、レギュラーシーズン・日本シリーズの両方で胴上げ投手になる活躍。石井は規定打席未満ながら22本塁打、酒井も3完封を含む10勝と、通常の年であれば新人王にふさわしい成績だったが、いかんせん相手が悪すぎた。この年、パ・リーグの新人王に選ばれたのは野茂英雄(近鉄)。最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手四冠を独占。沢村賞とMVPも受賞する圧巻のデビューイヤーだった。

 ◎1998年/高橋由伸(巨人)、坪井智哉(阪神)、小林幹英(広島)
 三つどもえならぬ四つどもえの争いとなったのが98年のセ・リーグ新人王。結果的には川上憲伸(中日)が14勝7敗、防御率2.57の成績で受賞したが、争った高橋、坪井、小林もまた凄かった。坪井はリーグ3位となる打率.327。高橋は打率.300に加え、新人外野手としては史上初のゴールデングラブ賞を受賞。小林は9勝6敗18セーブと、いずれも新人としては異例の好成績をおさめ、3人ともにセ・リーグ会長特別表彰が贈られた。

 ◎1999年/岩瀬仁紀(中日)、川越英隆(オリックス)
 ルーキーイヤーながら65試合に登板。1年目から中継ぎエースとして10勝2敗、防御率1.57の抜群の安定感を誇った岩瀬だったが、この年のセ・リーグ新人王は、20勝を挙げた上原浩治(巨人)。最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手四冠を独占し、沢村賞と新人王をW受賞した。

 同様にパ・リーグの新人王になったのが、高卒ルーキーながら16勝(5敗)で最多勝に輝いた松坂大輔(西武)。高卒新人投手の新人王は、堀内恒夫(巨人)以来、33年ぶりの快挙。社会人からプロ入りしたルーキー川越の11勝(8敗)は霞む形となった。

◎2003年/永川勝浩(広島)、村田修一(横浜)
 「松坂世代」の大卒組がルーキーイヤーだったこの年、セ・リーグの新人王を争ったのはやはり松坂世代の3人。永川は新人ながらチームのクローザーに抜擢され25セーブ、村田も25本塁打を記録したが、新人王に選ばれたのは10勝(7敗)をあげた木佐貫洋(巨人)。奇しくも東都大学リーグで鎬を削った3人によるデットヒートだった。

◎2007年/岸孝之(西武)
 この年の新人王争いは、大卒ルーキーの岸と、楽天の高卒ルーキー田中将大が11勝7敗で並ぶ形に。防御率では岸が、奪三振と投球回数では田中が上回るという、数字上は互角の争いだったが、得票数は田中の圧勝。高卒であること、ドラフト時からの話題性という「注目度」が票を分けた。

 今回「悲劇の新人伝説」として惜しくも新人王を逃した面々を取り上げたが、例えば西崎幸広は通算勝利数も通算奪三振でも新人王レースで敗れた阿波野を圧倒。佐々岡真司は2年目に最多勝、最優秀防御率、沢村賞を獲得するなど、新人王を逃した悔しさを発奮材料に翌年以降にさらに輝く例も多い。今季活躍したルーキーたちも、「2年目のジンクス」に負けず、来季の更なる奮起を期待したい。(『野球太郎』編集部)
 ※文中の所属球団は全て新人年当時のもの

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