星野監督 NPBにダメ出し「交渉が下手」 マー君察し苦言

[ 2013年11月16日 05:30 ]

<楽天・義大>ベンチの星野監督

アジアシリーズ予選リーグB組 楽天6―1義大

(11月15日 台中洲際)
 楽天・星野仙一監督(66)は、MLBがポスティング・システムの新制度を取り下げたことについて言及。NPBの交渉の進め方に苦言を呈するとともに、来季のチーム編成にも影響が出るとの認識を示した。立花陽三球団社長(42)はアジアシリーズ後に田中と会談し、大リーグ移籍の意思確認を行うことを明言したが、去就を決められない状況。また、15日に開幕したアジアシリーズで、楽天は義大(台湾)を6―1で破り、白星スタート。準決勝進出に王手をかけた。

 アジアシリーズ初戦を前にしてのMLBからの入札新制度の取り下げ。星野監督は複雑な表情を浮かべた。

 「交渉が下手。コミュニケーションを取れる人間が(NPB内に)いないんじゃないか」

 田中の心情を思いやって苦言を呈した。組織(MLB)対組織(NPB)の話が、同制度を利用してのメジャー移籍を視野に入れる田中個人の問題とリンクするようになった。「そもそも日本人の海外FAで補償がないのもおかしい。(入札とFAで)100かゼロでは」。海外移籍を包括的に考えた場合、欠陥の多い同制度。だからこそ、1年半の失効期間がありながら、しっかりと議論を尽くせなかったことを嘆いた。

 制度がなければ、田中の今オフのメジャー移籍は実現しない。指揮官は来季のチーム編成、戦力補強に及ぶ影響も憂慮する。「田中が(メジャーに)行くときと行かないときで両方の答えを持っておかないといけない。予算も変わる」。1億ドル(約100億円)以上とも推測される入札金も計算できなくなる。立花陽三球団社長は「(戦力補強の予算と)別に考えてもらって結構」と話したが、補強のみならず、球場施設などのインフラ整備も含め戦略は変わる。しかも、広島からFA宣言した大竹を補強リストに挙げているのは、田中のメジャー移籍を想定してのもの。外国人選手を含め補強に乗り遅れてしまう可能性は否定できない。

 立花社長も「チームの編成という面で言えば、(制度成立は)早い方がいい」とした上で、「アジアシリーズが終わってから田中投手と一回話す」と語り、制度成立に関係なく大会後に大リーグ移籍の意思を確認する方針を示した。早ければ22日にも直接会談を行う意向だが、制度が再び失効してしまったいま、田中が球団に、さらにファンに向けて明確な意思を伝えることは困難だ。

 

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