北九州市出身の中田賢 “相思相愛”ソフトB決定的に

[ 2013年11月16日 05:30 ]

ソフトバンクとの初交渉を終え、笑顔を交え会見する中田賢

 プロ野球は15日、フリーエージェント(FA)宣言した8選手と、各球団との交渉が解禁された。中日から国内FA宣言した中田賢一投手(31)は、名古屋市内のホテルでソフトバンクと即日交渉。4年契約、最大10億円の条件提示を受け、福岡県北九州市出身である右腕は「地元愛」を強調。17日に阪神と交渉、巨人も獲得に向けて参戦する予定だが、同投手の心はすでに固まっているもようで、ソフトバンク移籍が決定的だ。

 メーンは牛ヒレ肉のグリルトリュフソース。ランチを取りながらの約1時間半の交渉で、中田賢の顔からは終始笑みが絶えなかった。

 「すべてにおいて、いい条件でした。先発したいか?と問われたので、先発したいと答えました。頑張っただけ評価してもらえる金額提示をしてもらったし、決して後悔しない内容の評価をいただいた」

 通算61勝右腕に対し、ソフトバンクは4年契約に加え、最多勝など活躍次第で最大10億円の条件提示。大型契約だけではなく、「殺し文句」も用意されていた。

 交渉に同席したのは今月1日に就任したばかりの小川一夫編成育成部長(59)。中田賢と同郷となる北九州市出身で、当時スカウト部長として北九州市立大時代の中田賢に熱視線を送った。この日、右腕に向けた言葉は「帰ってきてほしい」。中田賢が「一番、印象に残った言葉でした」と振り返ったのも当然だった。

 中田賢も積極的に質問した。「家族の話もした。北九州市と福岡市の違い、住環境やパ・リーグの遠征は移動はどう動くのか、聞きました」。初交渉の席上だったが、話題は条件を通り越し「移籍後」のことが中心だった。

 この日、中田賢のもとへは阪神から正式に獲得に乗り出すとの連絡が入った。巨人も参戦への動きを見せている。「最終的にどこのマウンドで投げたいのか。自分の気持ちが動く場所へ行きたいと思います」と即答こそ避けたが、「地元というのはもちろんあるし、来てほしいという(強い)意志を感じました」と充実の表情。今後、ソフトバンク側は中田賢が希望すれば中日でつけている背番号20も用意する準備をしており、「相思相愛」の関係はもはや動かない。

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