マー君 メジャー移籍“越年”も…新制度まだ決まらず

[ 2013年11月6日 06:00 ]

体のケアを終えてクラブハウスを引き揚げる楽天・田中

 今オフにメジャーリーグ挑戦が濃厚な楽天・田中将大投手(25)の米球団への移籍決定が、大きくずれ込む可能性が5日、浮上した。すでに球団は海外FA権を持たない同投手が米球団への移籍を希望した際はポスティング・システム(入札制度)の利用を容認する方針を固めているが、同制度が現在は失効中。新システムの導入が遅れ交渉開始が12月になれば、合意は年を越すことも予測される。

 ある意味、もどかしさも感じていたかもしれない。Kスタ宮城の関係者駐車場。20人以上の報道陣に囲まれた田中はメジャー挑戦の可能性を問われ、「球団の方と会って話しているわけでもないので、何も話すことがないです」とコメント。「(メジャー挑戦の)気持ちは決まっている?」と振られても「何かを言えるのは球団の方と全部話をしてからです」と明言を避けた。

 田中は昨年12月の契約更改交渉の席で「将来的なメジャー挑戦」の希望を球団に伝え、了承された。球団は今月に入って本人が今オフにメジャー挑戦を希望した場合に容認する方針を固めたが、海外FA権を持たない田中が米球団に移籍する際に利用しなければならないポスティング制度が現在は失効中。球団は田中と意思確認のための会談すら行えない状況だ。

 この日、田中は3日の日本一以来、初めてKスタ宮城を訪れ、マッサージなどの治療で激闘の疲れを癒やした。同時刻には田中との交渉役を務める立花陽三球団社長(42)も同球場に隣接する事務所に出社していたが、会談の場を設けることはなかった。

 入札額の高騰で昨年6月から失効状態の入札制度だが、新制度が日米間で合意間近と言われている。最高額を入札した球団が独占交渉権を得る方式は旧制度と同じも、日本球団が得る金額は入札額の1番目と2番目の間の額とすることで最終調整中だ。ただ日本野球機構(NPB)の正式発表は12球団や選手会の了承も得てからで、この日、立花社長も「うちの情報では、もう少し時間がかかると聞いてる。もしかしたらアジアシリーズ後になるかもしれない」と新制度の発表が20日以降にずれ込む可能性を示唆。田中との会談がそれ以降となれば、23日に本拠地で行われる「ファン感謝祭」、翌24日に仙台市内で行う優勝パレードでも去就がはっきりしていない可能性もある。

 田中クラスの選手であれば高額な契約となるため、30日間の期間をフルに使って交渉をすることが予測される。開始が12月にズレ込むようなことがあれば、移籍球団が決定するまでに越年する可能性が高い。最近でもダルビッシュや青木が年を越して合意に達した。世界が注目する「TANAKA」の争奪戦は長期化の様相を呈している。

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2013年11月6日のニュース