「世紀の一戦」巨人逆王手でV9以来40年ぶり日本一連覇へ

[ 2013年11月3日 06:00 ]

<楽・巨>逆王手となり笑顔でハイタッチする阿部(中央)ら巨人ナイン

日本シリーズ 巨人4-2楽天

(11月2日 Kスタ宮城)
 無敵のエース・田中を今季4度目で初めて倒した。それも王手をかけられた崖っ縁の一戦で。敵地・Kスタ宮城のお立ち台に上がった原監督は「あしたは世紀の一戦になる」と声を張り上げた。

 不敗男を止めたのは16年目のベテランだった。5回に同点とし、なおも2死一、三塁。高橋由は2ストライクから3球勝負で来た149キロの真ん中の直球を中前へ決勝の適時打。一塁ベースを回ると、一塁ベンチに向かって右拳を突き上げた。

 「何とかバットに当てる気持ちだけで必死だった。難しい相手でしたけど開き直っていけた。みんなで崩したと思う」

 第3戦までは5番で先発出場したが、10打数無安打。4戦目からは先発メンバーから外れた。「少しでもチームの力になりたいと思っていた」。田中とのレギュラーシーズンでの通算成績は13打数3安打、打率・231ながら、安打は全て本塁打。その相性を買って3番に起用した指揮官の期待に見事に応えた。

 田中の入団1年目の07年。交流戦で仙台を訪れた際に当時チームメートの上原(レッドソックス)と一緒に夕食をともにした。1メートル88の堂々たる体格に「マー君、でかいな」が初対面の第一声。あれから6年、投手としても「でかく」なった田中を見事に攻略した。

 日本シリーズ前には3本のバットを自宅に持ち帰り、清めて神棚に祭った。毎年、開幕前にも行う儀式を年2回できるのはチームが勝ったから。「年に2回できるのは幸せなことだよね」。チームを崖っ縁から救う一打は、その思いを込めたバットから放たれた。

 「困ったときはベテランの力。由伸の経験値に頼りました」と、原監督は的中した起用に胸を張った。前日はナインを集め「田中とは2回目だから必ず打てる」と暗示をかけた。さらに不振の3番の坂本を6番に下げるなど打順を変更。3試合ぶりに先発起用したロペスも5回に同点2ランを放った。「練習の終わるちょっと前でしょうか」と決定まで悩みに悩み抜いたオーダーで、今シリーズ初の2桁安打。「彼から勝利をもぎ取れたということは非常に大きいと思います」と話した。

 V9を達成した73年以来、40年ぶりの日本一連覇へ逆王手をかけた。「そこを目標にやってきた。あしたは僕らの力が全て出せればいい」と高橋由。そして、原監督はこう言った。「死力を尽くし、全力で戦いたい」。その口ぶりは世紀の一戦を制する自信にあふれていた。

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