菅野投げ勝った!田中との投げ合いは「あっという間」

[ 2013年11月3日 06:00 ]

<楽・巨>7回1死一塁嶋を遊ゴ併殺打に打ち取った菅野は何度もガッツポーズ

日本シリーズ 巨人4-2楽天

(11月2日 Kスタ宮城)
 ベンチ裏の駐車場へ続く階段。巨人・菅野の前に、偶然にも楽天の田中が現れた。帽子を取って深々と一礼。言葉を交わすことはなかったが、2人だけの時間が流れた。

 「あっという間に終わっちゃいました。ということは楽しかったんだと思います」

 2回に2点を先制されたが、5回に逆転すると「さらに気を引き締めました」とギアチェンジした。4―2とした6回はクリーンアップを3者凡退。7回は1死一塁から嶋を狙い通りの遊ゴロ併殺打。「自分を信じてやるしかなかった」。7回3安打2失点。試合を支配した106球だった。

 CSファイナルSから本格解禁したフォーク。日本シリーズ第2戦では投球数の約2割を費やし、相手の脳裏に植え付けた。さらに思わぬ効果もあった。フォークを投げるために腕を縦振りにすることを意識した結果、カーブにより角度がついた。「相乗効果ですね」。象徴的だったのは6回。大振りのジョーンズをあざ笑うかのように、1ボール2ストライクから外角低めの121キロで空振り三振。続くマギーもカーブで三ゴロに斬った。前回の対戦で変化球を打たれたのが「悔しかった」とこの日は序盤から直球で押していた。だから緩いカーブも効いた。

 第2戦に続く田中との投げ合い。「普通の投球では勝てない」と話す一方で「うれしい。誰もが投げ合えるわけではない」と笑った。どちらも本心。シーズン中には田中の投球映像をDVDで研究。最も感服するのは「ストライクゾーンで勝負できる」ところだという。簡単には打てない。たまらず見逃せばストライク。「投手として究極だと思う」。その投球術は理想でもあった。

 CSファイナルSでは広島・前田健に投げ勝ち、この日は球界No・1投手に雪辱を果たした。「彼らとしっかり戦えたのは大きな自信と、これからの糧にしてもらいたい」と原監督も賛辞を贈った。これが今季のラスト登板。シーズンで一度も連敗のなかった右腕は、ポストシーズンでも続けて負けなかった。日本シリーズ初白星で、チームを崖っ縁から救った。

 ▼巨人・川口投手総合コーチ(菅野について)最高だね。言うことないですよ。早い段階で逆転してくれたし、彼の能力が最大限に出た投球じゃないかな。

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2013年11月3日のニュース