広島 秋季キャンプで若手は複数ポジション守らせる

[ 2013年11月3日 06:00 ]

秋季キャンプに備え、日南市の宿舎に到着した広島・野村監督

 仰天プランだ。広島の秋季日南キャンプは3日にスタート。次代を担う若ゴイが来春の1軍キャンプ帯同を懸け、21日までのサバイバル練習でアピール合戦を繰り広げる。この中で野村謙二郎監督(47)は野手陣について、複数ポジションを守らせる考えを披露。打撃向上に取り組む中でユーティリティー選手に挑戦し、チーム全体の底上げを図る構想だ。

 野村監督は3日からの秋季キャンプに備え、ナインとともに2日夕方、宮崎・日南入り。ドミニカからの練習生1人を含む、15人の若手野手について、驚きの強化プランを口にした。

 「複数のポジションを守らせようと思う。シーズンでそこを守るということじゃなく、面白いか無理か、トータルで見極めたい。打撃が生きる選手も出てくると思う」

 例えば、今季1軍で打率・282をマークした松山は一、三塁と外野を守り、小窪は内野の4ポジション、安部は二、三塁とショート、外野に挑む。ルーキー・鈴木誠は三塁とショート、外野守備に、上本は二、三塁とショートに取り組む。

 堂林も例外じゃない。「本人はサードでレギュラーをつかみたい思いがあるだろうけど、今季はケガがあったにせよ、思う打撃ができていなかった。三塁だけとなると苦しい」と指揮官。10月のフェニックスリーグでは既に一、三塁、遊撃、右翼を守っており、今秋キャンプでも一塁、右翼を継続挑戦させる意向だ。

 定位置獲りを目指す若手に説いたユーティリティー化の勧め。打撃がレベルアップし、複数ポジションを守れるとなれば、個人の出場機会が増えるだけでなく、全体の底上げにもつながる。「打ってくれたら固定してみようということもある」。実際、今季は木村や小窪が万能ぶりを発揮し、終盤の快進撃に貢献した。

 「今季、セーフティースクイズが何度か成功したのは、昨秋に練習していたから。それと同じで、この秋にある程度見極めができれば、使う我々にとってもよりどころになる」

 1クールで1、2回の紅白戦を予定する今秋。西武との練習試合も2試合組まれている。実戦を数多くこなし、野手に複数ポジションを守らせる中で、首脳陣は来春キャンプへ向けた選定作業も進めることになる。

 「何人が春のキャンプで1軍入りするか。終盤にはある程度絞っていくと思う。いいものをどれだけ見せてくれるか。サバイバルだね」

 若ゴイにとっては濃密な19日間。野村監督はそう言って目を光らせた。

続きを表示

2013年11月3日のニュース