銀次今シリーズ２度目Ｖ打「俺が決めるんだという気持ち」

＜巨・楽＞延長１０回１死一、二塁、銀次は中前適時打

日本シリーズ 楽天４－２巨人

（10月31日 東京Ｄ）
　打った瞬間、右拳を握りしめた。同点に追い付かれた直後の延長１０回１死一、二塁。楽天の銀次は西村の外角高め直球を振り抜いた。打球は右腕のグラブの下をすり抜け、中前へ。二塁走者・則本が生還し、勝ち越しの一打が決勝点となった。

　「最高です！俺が決めるんだという気持ちで打席に入りました。則本が走っていたので１点入ると（思い）、ガッツポーズしました」

　どうしても打ちたかった。１死二塁で前の打者、藤田がシリーズ３個目となる死球を左ふくらはぎに受けた。今季、一塁に定着した銀次は「藤田さんの守備で本当にチームは助けられてばかり」と名手を尊敬してやまない。その先輩が痛みにもだえ苦しんでいた。「あの冷静な藤田さんが、ああいうこと（投手をにらみつけ）をしたので自分も燃えた」。先輩のために、チームの勝利のために――。気合がバットに乗り移った。

　決勝打は２７日の第２戦（Ｋスタ宮城）に続き、これで２度目。ついに日本一に王手をかけた。頼もしい３番打者は興奮冷めやらないお立ち台で「また僕が打って勝ちたいと思います」と堂々と日本一を宣言した。