オルティス歴代2位・688!ボストンにささぐMVP

[ 2013年11月1日 06:00 ]

ワールドシリーズを制覇し、シャンパンファイトで喜ぶレッドソックスのオルティス

Wシリーズ第6戦 レッドソックス6―1カージナルス

(10月30日 ボストン)
 ボストンの強さを主砲が見せつけた。95年ぶりとなる本拠地での世界一。シリーズ歴代2位の打率・688をマークし、文句なしのMVPに選ばれたレッドソックスのオルティスはトロフィーを高々と掲げた。

 「これはボストン市民のためのトロフィー。みんながMVPに値する応援をしてくれた。爆破事件の後、苦しんだ家族もいたと思う。みんなにささげたい」

 今年4月の連続爆破テロの直後、オルティスは犯人への怒りを込め「This is our f××king city!(俺たちはこの街が死ぬほど好きなんだ!)」とあえて放送禁止用語を使ってスピーチ。悲劇に見舞われた地元を、勝ち続けることで勇気づけてきた。チームも「ボストンは強い」「強く生きよう」などの意味を込めた「B STRONG」のロゴをユニホームなどに使用。ポストシーズンに入ると、フェンウェイ・パークの外野の芝も、その模様に刈られた。その本拠地で歓喜の瞬間を迎えたことに、大きな意味があったのだ。

 この日は相手に勝負を避けられ、3敬遠を含む4四球。これは、ヤクルトでもプレーした79年のダグ・デシンセイ(オリオールズ)以来、シリーズ史上7人目の記録で、2度ホームを踏んでチームを勢いづけた。チームで唯一、04年と07年の世界一を知る37歳は「ワールドシリーズは楽しむものだ」などとベンチで若手を鼓舞。勝利の瞬間には、軍隊のようなヘルメットを装着し、歓喜の輪に加わった。

 試合後。リーグ優勝時と同じように「This is our “ピー” city!」と自らピー音を発するお決まりのフレーズで場内を沸かせた。愛する地元にささげる世界一とMVP。ボストンは強かった。

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2013年11月1日のニュース