張本氏「一打一生」森祇晶氏「もっといい野球界になっていた」

長嶋（右）王（左）と３ショットの川上監督

川上哲治氏死去

　【サヨナラ川上さん】

　▼森祇晶氏　今年２月にお会いした時は、お元気そうだったので、残念でなりません。川上さんの現役、コーチ、監督時代をずっとそばで見てきました。とにかく勝負に厳しい方で、勝つためにはいかにチームプレーが大事か、徹底的に叩き込まれました。野球だけでなく、人生の師匠。巨人退団後、野球界にそれなりの立場が用意されていれば、もっといい野球界になっていたと思います。

　▼ＤｅＮＡ・高田繁ＧＭ　川上さんが監督でなければＶ９は絶対に達成できなかった、私はそう断言できます。チームの中に緊張感や競争意識をつくるのが本当に上手な方でした。

　▼ＤｅＮＡ・吉田孝司スカウト部長　一言で言えば恩師です。打撃の神様と言われた厳しい方で首根っこをつかまえて野球を教えていただきました。

　▼張本勲氏（スポニチ本紙評論家）ショックが大きい。打者として終生の憧れの人だった。川上さんの安打数は抜いたが、いまだに野球人として抜いたとは思っていない。これだけの打者、指導者はいない。Ｖ９は世界記録ですから。日本シリーズ中に亡くなったということに運命的なものを感じる。一緒にやったことはないが、ずっと尊敬してきた。川上さんが解説者のときに「一打一生」という言葉をもらったことが思い出。「この言葉はお前に似合う。よし、やろう」と言ってくれた。一打に命を懸けてきた川上さんらしい言葉で強い感銘を受けた。

　▼後藤次男氏（元阪神監督。熊本工の４年後輩）近年、表に出て来られないので心配していた。熊工入学時、川上さんは最上級５年生。既に全国準優勝し偉大な先輩だった。１年生に近距離からボールを投げ「これが捕れないとやっていけないぞ」と鍛えられた。厳しいだけでなく、温かく、優しい方でした。

　▼小山正明氏（元阪神、野球評論家）　私が入団した時、川上さんは現役晩年だったが、ボール球の見極めは素晴らしかったことを覚えている。川上さんが（小山は）次代を担う投手になると話していたことを新聞記者から伝え聞き、大きな自信になった。その一言が若造の私をどれだけ勇気づけてくれたかわからない。

　▼鈴木啓示氏（元近鉄、スポニチ本紙評論家）同世代だったおやじに「川上みたいになれ」と言われて野球をしたものだ。同じＮＨＫの解説者になり、放送や野球教室の際にいろいろと教えていただいた。鶴岡一人さん、西本幸雄さん、川上さんという御三家に身近に接していただきながら、近鉄監督の時に教えを生かせなかった。情けなく、申し訳ない。

　▼山本浩二氏（元広島）偉大な先輩で厳しさを教わりました。私も川上さんの教えを胸に刻んでやってきた。野球界がさらに発展できるように、天国から見守っていただきたい。

　▼緒方耕一氏（元巨人、熊本工の後輩）大先輩で雲の上の存在。入団当初はあいさつをするのが精いっぱいでした。引退してコーチになる時にも、アドバイスをいただいて感謝しています。

　▼前田智徳氏（元広島、熊本工の後輩）技術的なことや打席での精神的なことを教えていただいたのが記憶に残っているし、教訓にやってきた。他球団の選手を気にかけてもらい、応援してもらって、真剣に若造に接していただいて感謝しています。

　▼上田利治氏（元阪急監督）偉大な方が亡くなられて残念です。個人としても凄く実績があり、さらに、日本野球全体の力もつけられた。監督としてこうあるべきだと、教わった。知らず知らずのうちに、教訓として入ってきていた。心身ともに元気な方だった。寂しい。

　▼吉田義男氏（元阪神監督）プロ３年目ぐらいに「君はバットの芯に当てるのがうまいな」と褒められたことを覚えています。それが自分の自信につながりました。指導者としての功績は、ボール球を振らないという教えを徹底したことだと思います。プロ野球界はこの伝統を引き継いでいかなければなりません。

　▼宮内義彦コミッショナー代行（オリックス球団オーナー）突然の訃報に接し、悲しみの念に堪えません。「打撃の神様」、そしてプロ野球史上にさんぜんと輝く「日本シリーズＶ９」を達成するなど選手、監督としての実績はもちろん、プロ野球界に対する貢献は計り知ることはできません。

　▼ＤｅＮＡ・中畑監督　当時のＯＢ会長が川上さんで、「ミスタージャイアンツ」の第１号選手として表彰していただいたことが、ＯＢ会にも認めてもらえたという思いで光栄でした。巨人軍ＯＢとして紳士たれと声を掛けていただいたこともありました。

　▼ロッテ・伊東監督（熊本工の後輩）　高校の大先輩と軽々しく言えないほど、雲の上の存在でした。本当にショックです。

　▼日本ハム・栗山監督　じっくりお話をする機会はなかったけど、指導者が勉強しなくてはいけないということは教わった。Ｖ９という偉大な記録をつくったこれ以上ない存在。いい野球をすることが一番の恩返しになる。

　▼中日・谷繁監督　（プロに）入ったころに知り合いが川上さんと仲が良くて少しだけ縁があった。ジャイアンツをあそこまで強くされた。野球人としての魂は受け継いでいきたい。

　▼西武・伊原監督　大監督だった。最初に監督をやらせてもらった時（０２年）に１時間くらい監督とはこういうものだと教わった。リーグ優勝した時にすぐに電話をいただいた。何かあった時にはいつもアドバイスをいただいていました。

　▼巨人・川相ヘッドコーチ　お会いしたのは若い頃、グアムキャンプの夜間練習で、とにかくボールを叩けと教えてもらったのが最後。Ｖ９時代にテレビで見ていて、監督としての印象が強い。川上さんの本は今でも持ち歩き、どういう精神で強いチームをつくってきたのかとか学んでいます。少しでもその伝統を引き継いでいきたい。

　▼中日・荒木（熊本工の後輩）１０年ほど前に「頑張れ」と声を掛けてもらったことが思い出。僕のことを覚えていてくれているんだとうれしかった。本当に、ただただ残念。