原巨人、計算ずくの1敗…山口&西村休ませられた 田淵氏分析

[ 2013年10月28日 09:03 ]

<楽・巨>6回2死満塁 ロペスから三振を奪う田中

日本シリーズ第2戦 楽天2―1巨人

(10月27日 Kスタ宮城)
 神様、仏様、稲尾様から田中様になった。巨人の先勝で迎えた日本シリーズ第2戦。スポニチ本紙評論家の田淵幸一氏(67)は6回2死満塁から、田中がロペスを空振り三振に斬った内角直球がすべてと分析。開幕24連勝のシーズンと投球パターンを変え、不変の力を見せつけたと指摘した。楽天は大エースの力投で1勝1敗のタイ。第3戦から両監督が動き、シリーズはもつれると予想した。

 どんな試合でも、どんな状況でも精神的な強さは変わらない。田中の不変の強さが巨人をねじ伏せた。巨人相手のシリーズで、西鉄(現西武)が3連敗から4連勝したのは58年。逆転日本一の立役者・稲尾が「神様、仏様、稲尾様」と称賛されてから半世紀、負けない楽天の大エースは「稲尾様」から「田中様」と呼んでもいいだろう。

 ◆0―0の6回2死満塁からロペスを内角直球で空振り三振 楽天は5回の先制チャンスを一塁走者・枡田のボーンヘッドで逃していた。その直後。田中は2死から2四球と村田の中前打で満塁のピンチを招いた。0―0。第1戦を落とし、巨人には絶対的リリーフの3人が控える。絶対に先制点は与えられない場面だ。そこでシーズン同様にギアを上げた。ピンチで2段、3段と上げるギアを持っているのが田中の強みでもある。

 走者を置いてコンパクトに打ってくるロペスに投じた7球。ここまで多投していたスプリットではなく、4球連続直球で追い込み、2球スプリットを見せて2ボール2ストライク。7球目、内角にこん身の152キロ直球を投げ込んだ。右方向を意識していたロペスもこれには反応できない。空振り三振だ。絶体絶命の局面で、当たり前のように最高の球を最高のコースに投げ込んだ。

 シリーズ初登板の田中はシーズンとは異なる投球パターンだった。開幕24連勝した速球系軸の投球ではなくスプリットを多投。巨人打線にまともにスイングをさせなかった。ただ、スプリットの多投は疲労度が増す。やや疲れの見えた6回にピンチを招くと、ロペスに対して直球を軸にギアチェンジ。底力を見せつけて抑えてみせた。

 どんな状況でもベストの投球で抑えるのが真の大エース。2点リードに変わった8回、寺内に喫した一発はホッとした隙を突かれたもので、信頼感は少しも揺るがない。これで4勝3敗をもくろむ星野監督のシリーズ戦略の道筋ができた。

 ◆7回に2点目につながった岡島の粘りの内野安打 チャンスを走塁ミスでつぶすなど打線のつながりを欠いていた楽天。7回2死無走者からの2点目は後につながる得点となった。9番・聖沢が中前打し、すかさず二盗に成功。ここで岡島が持ち味の粘りを発揮した。2ボール2ストライクから沢村の直球をファウルし、7球目の内角のボール気味の球を逆方向へ。しぶとく転がす意識が遊撃内野安打につながった。追い込まれても食らいつき、汚いヒットでも塁に出る。岡島らしさで一、三塁として続く藤田が闘争心を押し出したヘッドスライディングで二塁内野安打をもぎ取った。粘りとしぶとさと闘争心。楽天打線の本来の姿でもある。

 第1戦は好投の則本を見殺しにする零敗。エース・田中の投げる第2戦は絶対に点を取らなければならない。6回の先制点も二塁走者・岡島の好走塁。星野監督がいつも言う「見えないもう一歩のリード」を二塁で取っていたから、ライナーの中前打でも本塁を陥れられた。足も絡めた攻撃が機能した2得点は第3戦以降につながる。

 ◆原監督には計算ずくの田中相手の1敗 シリーズは3敗までできると考えると、この1敗は原監督にショックはないはずだ。0―1の7回。2死一、三塁で打席に左の藤田を迎え、右の沢村から左の青木に代えた。左打者に左腕。定石のようだが、最少得点差だ。勝ちに行くならリードされていても、ここは山口だろう。田中相手に8、9回で打線が逆転できるかどうかを考えた末の継投だったに違いない。

 寺内の予想外の一発で1点差になって8回にマシソンを投入したが、山口と西村は休ませられたし、新人・菅野も度胸満点の投球で次回へつながるだろう。ただ、2、7回に二盗を許した阿部に不安を感じた。シーズン終盤に帯状疱疹(ほうしん)で休んだ影響か、下半身に切れがない。打撃でも、下で粘れないから勢いで振ろうとして大振りが目立っている。

 両軍とも投手力で1勝1敗。DH制がなくなる東京ドームは打線がカギになる。星野、原両監督がどう動くか。シリーズはもつれる可能性が出てきた。

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