銀次 菅野討ち先制打でリベンジ 前日ミスも「気合と根性で」

[ 2013年10月28日 06:00 ]

<楽・巨>6回、中前適時打を放った銀次はベンチに向かってガッツポーズ

日本シリーズ第2戦 楽天2―1巨人

(10月27日 Kスタ宮城)
 一夜で汚名を返上した。0―0の6回1死二塁。楽天の3番・銀次は菅野が真ん中に投じたスライダーを中前へはじき返した。二塁走者の岡島が先制のホームを踏み、楽天にとって日本シリーズ15イニング目で初得点。銀次は二塁ベース上で右拳を突き上げ、雄叫びを上げた。

 「絶対に打ってやろうと集中していた。気合と根性で打ちました。やるしかないと思っていたのでうれしいです」

 前日の第1戦は攻守で精彩を欠いた。5回、先頭・坂本の一、二塁間の打球をダイビングキャッチしながら、ベースカバーに入った則本へ悪送球。これをきっかけに先制点を奪われた。3番としても5打数無安打と沈黙。チームも拙攻続きで零敗で悔しさを募らせた。

 「自分で取り戻すしかない」。雪辱を誓って臨んだ第2戦。試合前、2番・藤田に「チャンスで回してください」と頼み込んだ。6回無死一塁、後輩の望み通りに藤田が投前犠打を決めて得点圏に走者を進めた。そして「ここしかないと思った」と均衡を破る先制打を意地で放った。2打席目にも右前打し4打数2安打。自らのバットで前日のミスを帳消しにした。

 打率・317、153安打は、いずれもチームトップ。安打量産の極意は「張本打法」にある。打席でイメージしているのは張本勲氏(スポニチ本紙評論家)の打撃フォームだ。沖縄・久米島でキャンプ中だった2月。「宿舎でテレビを見ていたら古い映像を流していた。張本さんの打撃フォームが、自分の理想とするフォームのイメージにピッタリだった」という。最大のチェックポイントは「猫背にならないこと」。本家の広角打法をほうふつさせる、内角を苦にしない懐の深さで甘い球を一振りで仕留めた。

 1勝1敗で敵地に乗り込む。お立ち台では「期待しかしないでくださいよ。熱い気持ちを持って必ず日本一になります!」と本拠地のファンに堂々と宣言した。自信を取り戻した背番号33は「楽しくなってきましたね」とニヤリと笑い、ロッカールームへ引き揚げた。

 ≪1勝1敗タイ≫楽天が1勝1敗のタイに戻した。シリーズが1勝1敗となったのは10年以来3年ぶり31度目。過去30度は●○スタートが14度、○●スタートが16度優勝となっており大きな差はない。ただし、今回の楽天のように●○から敵地に乗り込んだケースは15度あって優勝は4度だけ。97年西武から10年中日まで6チーム連続V逸となっているが楽天はどうか。

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