柴田勲氏 今の巨人は層の厚さ、総合力で12球団No・1

[ 2013年10月27日 11:20 ]

日本シリーズ第1戦 巨人2―0楽天

(10月26日 Kスタ宮城)
 40年ぶりの日本一連覇なるか。65~73年のV9以来の偉業に挑む巨人。赤い手袋がトレードマークで、1番打者として打線をけん引した元巨人の柴田勲氏(69)が当時を振り返りつつ、原巨人にエールを送った。

 V9。その一番の要因は、先発メンバーがほとんど変わらなかったことだと思う。1番が私、2番が土井さん。3、4番が王さん、長嶋さんのONで…。そして8番で捕手の森さんまで。もちろん投手陣も良かったが、シーズンを通じて野手8人で野球をやっているような感じだった。打順も、役割も変わらない。私が塁に出て足でかき回し、土井さんがONにつなぐ。V9を成し遂げた73年のシリーズこそ故障で長嶋さんを欠いていたが、投打はもちろん、打線自体が不動のバランスを誇っていた。

 私自身も「V2」に当たる66年日本シリーズでMVPを獲った。ただ、余計なことをした記憶はない。普段通りの野球をしたら「勝っちゃった」という印象。阪急など、相手チームが萎縮した部分もあると思う。負けなかったのは執念、信念、自信…。そういったものがチーム全体にあった。

 当時との比較は難しいが、今年の巨人は投打とも素晴らしくバランスが取れている。V9の時は「8人野球」といったが、今の巨人は選手層が厚く、誰かが不調、故障などの時には他の選手がきっちりとカバーする。層の厚さ、総合力は12球団でNo・1だろう。第1戦ではくしくも私と同じ1番打者の長野が決勝打を打ってくれた。OBの一人としても、40年ぶりの日本一連覇を願っている。

 ◆柴田 勲(しばた・いさお)1944年(昭19)2月8日、神奈川県生まれの69歳。法政二から62年に巨人入団。投手から野手に転向してスイッチヒッターに。67年には70盗塁でタイトルを獲得(計6度)するなど、通算579盗塁。日本シリーズではMVP以外にも優秀選手賞(68年)など獲得。

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2013年10月27日のニュース