5年前のドラフト“目玉”田沢、手術乗り越え夢舞台6球

[ 2013年10月25日 06:00 ]

<レッドソックス・カージナルス>8回2死から登板したレッドソックス・田沢

ワールドシリーズ第1戦 レッドソックス8―1カージナルス

(10月23日 ボストン)
 第109回ワールドシリーズは23日(日本時間24日)に開幕し、レッドソックスが8―1でカージナルスを下し、先勝した。田沢純一投手(27)は7―0の8回2死から2番手で登板。打者1人を見逃し三振に仕留め、上々のデビューを飾った。日本投手がワールドシリーズに登板するのは、07年レッドソックスの松坂大輔、岡島秀樹以来3人目。6年ぶりの世界一へ向け、好スタートを切った。

 田沢がワールドシリーズの舞台に初めて立った。7―0の8回2死。19日を最後に登板がなく、調整の意味合いもあった。だが、張り詰めた空気と大歓声は、このマウンドに立った者にしか分からない。気持ちが入らないはずはなかった。

 「ホームですし、凄い歓声の中で投げたことは、野球人生において良かった」。2番ジェイを直球とカーブで簡単に追い込むと、2ボール2ストライクから内角低めに95マイル(約153キロ)直球をズバッと決めた。見逃し三振。右拳を握り、吠えた。わずか6球だが、チームのワールドシリーズ9連勝に貢献し「投げさせてもらって感謝している。ガッツポーズも出ちゃった」と笑った。

 5年前のドラフト。田沢は即戦力右腕として目玉候補だった。しかし、ドラフト指名を拒否し、社会人から直接レッドソックスへ移籍した。前例のない挑戦に否定的な意見も出たが、成長するために最適な場所を選択。「いつか世界一の投手になる」と言い聞かせ野球に没頭した。10年4月には右肘の腱移植手術を受け、約1年間に及ぶリハビリにも耐えた。「本当に復帰できるのか…」と疑ったことさえある。

 今季は自身初めて開幕メジャーをつかんだが「打たれたら、自分はいつ(立場を)変えられてもおかしくない」と常に重圧と戦っていた。「安泰」という言葉は田沢には無縁だった。人一倍一球にこだわり続け、ポストシーズンを含めてこの日で今季80試合目の登板。メジャーの日本投手では、同僚の上原しか到達していない数字に届いた。

 世界一へあと3勝。「一戦一戦の重みが違う。しっかり準備して頑張りたい」。苦難の末にたどり着いた夢の舞台だった。

 ≪初回3得点はV100%≫ワールドシリーズで第1戦に勝ったチームがワールドシリーズを制したケースは過去67度。62%の確率で世界一になっている。レ軍はともに4連勝で制覇した04年、07年にも、本拠地での第1戦の初回に3点以上奪っており吉兆となった。

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