原監督 大当たり~ 坂本の打球右手直撃 本番で打てばいい

[ 2013年10月22日 06:00 ]

痛みにもん絶する原監督

 本番で当たってくれればいい。巨人は21日、CS突破を決めてから2日間の休養を挟み、東京ドームで楽天との日本シリーズに向けて練習を再開した。原辰徳監督(55)は不振が続く坂本勇人内野手(24)へティー打撃で球をトスしながら直接指導したが、その際に打球が右手首付近に直撃。球団トレーナーの診断は「打撲」で事なきを得たが、一瞬ヒヤリのハプニングだった。

 V9以来40年ぶりの日本一連覇へ、シリーズの相手は楽天に決まった。原監督は「相手はどこでも、これからの時間を有効に使って十分な態勢をつくりあげ、実戦を迎えることが重要。日本プロ野球の頂点にふさわしいゲームをお見せし、シリーズ連覇を目指します」とコメントした。

 冷静な指揮官だが、この日の練習では声にならない声が上がった。右腕を振るようにして痛みをこらえる。防球ネットを立てて、坂本に対して投手方向から自らボールをトスするティー打撃の最中で、坂本の打球が直撃。「ちょっと湿布でもしてくる」とベンチ裏に下がったきり、練習終了まで姿を見せることはなかった。

 「大丈夫、大丈夫。俺の腕がどうなったっていいんだよ」

 アイシング治療を行い、「打撲」と診断された指揮官は、私服に着替えると右手首には包帯もつけずに帰途についた。笑みも浮かべて気丈に振る舞ったのは、打撃不振から抜けきれない坂本への期待が大きいからだった。シーズン終盤に調子を崩し、8月中旬まで保っていた打率3割から、・265でレギュラーシーズンを終えた。広島とのCSファイナルSでは第1戦で6回に同点の左越え本塁打、第3戦は4回に勝ち越しの左中間二塁打と勝負強さこそ見せたが、3試合で計10打数2安打。指導してくれていた指揮官を負傷させたことにばつの悪い表情を浮かべた坂本は「試合で返さないといけないですね。頑張ります」と言い切った。

 坂本が楽しみにするのは88年生まれの同い年で、小学校時代は少年野球チーム「昆陽里タイガース」でバッテリーも組んでいた楽天・田中との対戦だ。今オフにもポスティング・システム(入札制度)でメジャー挑戦する可能性がある右腕に対し、「今年で対戦は最後になるかもしれない。日本シリーズでできるなら一番いい」と話してきた。自身の復調、そしてマー君を打ち崩さないことには日本一への扉は開けない。 

【監督、コーチのハプニングによる負傷】

 ☆星野仙一監督肋骨骨折 北京五輪代表監督就任後の08年、視察先のオランダの球場内で鉄柵に右脇腹強打。帰国後、病院で「右肋骨第5、6、7番の骨折で全治3週間」の診断。

 ☆新井宏昌コーチ頭蓋骨骨折 広島の打撃コーチを務める今年6月の練習中、ルイスのティー打撃の打球が額付近を直撃。その場で倒れ込み、病院に緊急搬送。「前頭部挫創、頭蓋骨骨折」と診断されたが、幸い脳には異常なし。

 ☆大久保博元コーチ肉離れ 西武の打撃コーチ時代の08年5月、チームのサヨナラ勝利に興奮しダッシュ。歓喜の輪に加わる直前にもん絶の表情を浮かべ、右太腿裏の肉離れを直訴。ブラゼルと細川に担がれベンチに戻った。

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