ロッテ変化球狙い“空振り”美馬の切れ想定外…今江「凄かった」

[ 2013年10月20日 06:00 ]

<楽・ロ>5回1死、嶋の打球をトンネルする井口

パ・リーグCSファイナルステージ第3戦 ロッテ0―2楽天

(10月19日 Kスタ宮城)
 土俵際に追い詰められた。延長戦を制した前夜の勢いはどこへ。ファイナルS3試合目で2度目の零敗を喫した。「打線は水ものというけどな。もうちょっと機能してくれないとね」。ロッテ・伊東監督もお手上げだった。

 美馬とは今季3度対戦。レギュラーシーズンのデータをもとに「内角の速球を捨て、変化球狙い」という指示が徹底されていた。だが、美馬のこの日の変化球の切れは想像を上回るものだった。カーブでカウントを整えられ、スライダーでタイミングを外される。右打者はシュートで内角を突かれたと思えば、最後はフォークを落とされる。

 第1戦の田中はある程度、苦戦は覚悟していたが、美馬は想定外。そんな焦りから凡打を繰り返す。9回に井口が四球を選び、初めて先頭打者が出塁したものの、続く今江が二ゴロ併殺。散発の4安打はいずれも左打者で、右打者は完全に抑えられた。4打数無安打2三振の今江が「変化球は多いのは分かっていたけど、曲がりが凄かった。打てなかったのは力不足」と言えば、井口も「CSに入ったら(相手も)ミーティング通りには来ないね」と悔しがった。

 後がなくなったが、伊東監督は「みんなどういう状況か分かってるはず。尾を引いてしまったら負け。最後まで何があるか分からんからな」とすぐに頭を切り替えた。「史上最大の下克上」と言われた、10年のCSファイナルSもソフトバンクにアドバンテージを含めて1勝3敗となった後に、3連勝して日本シリーズ出場を決めた。里崎は「ノーリスクハイリターン。追い込まれた感じはない」と言い切った。背水の陣でこそ「逆転のロッテ」の真価が問われる。

 ≪今CS零敗3度 ワースト更新≫ロッテは楽天に零敗を喫し1勝3敗となり、王手をかけられた。今CSの零敗はファーストS(2)戦、ファイナルS(1)戦に次いで3度目。同一シーズンのCSで3度の零敗は08年阪神、10年巨人、12年ソフトバンクの2度を上回るワースト新記録になった。またCS通算の零敗は7度目となり、ソフトバンクの6度を抜き、こちらもワースト記録を更新した。この日は美馬(楽)の前に左打者のみの4安打。ファイナルSの左右打者別成績を出すと右打者は3試合を通じ打点0と元気がない。

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