３年目は鬼のキヨシ！緊急視察で大爆発「論外だよ！情けない！」

試合後のミーティングを池田球団社長（右から２人目）と見守る中畑監督

フェニックス・リーグ ソフトバンク９―４ＤｅＮＡ

（10月19日 アイビー）
　試合後の三塁ベンチ裏。１泊２日の日程で急きょフェニックス・リーグを視察するために宮崎を訪れたＤｅＮＡ・中畑監督の怒声が１０分間、響き渡った。

　「球そのものは認めるが、マウンドに立つ資格はどこにもない！論外だよ！情けない！戦力以前の問題だ。甘えるのもいいかげんにしろ！」

　怒りの矛先は先発した５年目の土屋に向けられた。７回９失点。逆鱗（げきりん）に触れたのは投球内容ではない。３、７回と一塁へのベースカバーが遅れた怠慢プレーだった。土屋だけではない。４年目の筒香が直球を打ち損じてファウルや凡打に倒れた打撃には「進歩していると思えない」とバッサリ。３回に土屋の暴投で失点を許した場面も「高城があんな簡単にそらす。負け試合になったのはあのワンプレー」と２年目捕手のミスを指摘した。

　３年目となる来季続投が決まっての初カミナリには中畑監督の覚悟が秘められていた。今季は最下位こそ脱出したものの８年連続Ｂクラスの５位。「このチームは厳しさが足りない。（就任して）負けに慣れてしまった自分が怖い時があるんだよ」と漏らしたことがあった。ぬるま湯体質からの脱却なくして、勝てる集団への変貌はない。コーチにも注文が付けられた。試合後、ミーティングを聞き「ウチのコーチは優しいな。仏様みたいだった。（これまでは）コーチに任せていたけど、不満があればどんどん言いたい」と宣言した。

　球場を出て、ファンにサインを書いている時も表情は険しかった。「できれば見に来ない方が良かった。（来年は）最下位争いのど真ん中にいる怖さを感じた」。土屋、筒香、高城ら若手が反骨精神ではい上がってこなければ、上位浮上は望めない。

　▼ＤｅＮＡ・土屋　打たれるとか抑えるとかじゃなく（ベースカバーに２度遅れたプレーを）監督にああ言われても仕方ない。次から絶対に同じミスをしないようにしたい。