再戦マウンドは来ず…マエケン「悔しいけどこれが今の力」

[ 2013年10月19日 11:09 ]

報道陣に囲まれ、東京ドームを出る広島・前田健

セ・リーグCSファイナルステージ第3戦 広島1―3巨人

(10月18日 東京D)
 自分たちがいまどこにいるのか。どこまで来たのか。それを確認した3試合だった。頂点はもっと遠くにあることも思い知った。「悔しいのは悔しいけど、これがいまの力です」。広島・前田健は2013年の終戦を真正面から受け止めた。

 完敗だった。2―3、0―3、1―3。振り返れば大敗は一度もない。スコアだけを見れば、むしろ「接戦」の部類だ。同じグラウンドで相まみえたからこそ数字以上の差を肌で感じた。

 「阪神戦は(自分たちの野球を)できたけど、巨人戦は厳しい試合になった。シーズンでもゲーム差(17差)があるように実力差はかなりある」

 プロ7年目で初めてCSの舞台を踏んだ。2位阪神とのファーストステージでは初戦の大役に7回1失点の力投で応え、連勝突破の原動力にもなった。ファイナルステージは中4日の強行軍で前日17日の第2戦に先発。伏兵の寺内に痛恨被弾して5回3失点に沈んだ。通常なら軽めのメニューにとどめる登板翌日。短距離ダッシュを繰り返すなど精力的な調整に努めた。中3日での第6戦を見据えていたからだ。祈っていた再戦のマウンドは来なかった。

 昨季チームが大失速した9月に2度の中4日登板を投げ抜くなどフル回転で16年ぶりのAクラスに貢献。「歴史を変えたい」。そう言い続けてきた秋の戦いは終わった。思えば、春にはワールド・ベースボール・クラシックの日本代表でエース格としても奮闘。全力で駆け抜けた1年だった。

 「(チームは)確実にレベルアップしていると思う。シーズンを通して戦えるようにもなった。来年はもちろん優勝を目指さないといけない。でも、(巨人との)力の差はかなりある。一人一人がみんなで考えていかないといけない。かなり頑張らないといけない」

 歴史は変わったのか。少なくとも動き出したことは確かだ。動かしたのは前田健だ。雲間に見えた頂点を道標に前を向いた。

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2013年10月19日のニュース