原監督 ぶれなし鬼采配!自責0の内海交代「後手は愚策」

[ 2013年10月17日 06:00 ]

<巨・広>4回2死満塁、内海に代打・石井も三振に終わり、渋い表情の原監督(左)

セ・リーグCSファイナルS第1戦 巨人3―2広島

(10月16日 東京D)
 いち早くベンチを飛び出した巨人・原監督は高揚した表情だった。今季両リーグ最多の39度の逆転勝ちで連覇を果たしたレギュラーシーズン同様の逆転勝利。一進一退の攻防を制し、いつになく冗舌だった。

 「きょうは特別な緊張感のある試合だった。ぎりぎりのところだったが、先手必勝という部分で、初戦を取れたことはいい」

 攻撃的なタクトが勝利を引き寄せた。4回だ。ロペスの中犠飛で1点差に迫り、なおも2死満塁。ここで打席に向かう内海を手で制し、代打・石井を告げた。驚きの表情を浮かべ、ベンチでも肘当てを付けたままだった内海。4回3安打2失点(自責0)だったエースに代打を送った。「(前打者で四球の)亀井に対して全く勝負をしてなかったようにみえた。あそこは(相手を)気持ちよく終わらせたくなかった。相手に対してね」。石井は空振り三振。それでも「うちで確率の高いバッターを送って、結果はどうあれ、次の回を迎えようという選択」と迷いも後悔もなし。その決断が救援陣の無失点リレーを呼んだ。

 長嶋監督の下でのヘッドコーチ時代。「準備して決断して勝負するのが大事」と継投の極意を学んだ。「継投で後手を踏んではだめ。後手、後手に回って投手交代するのは愚策」という信念に基づいた作戦だった。試合前には川口、斎藤両投手コーチと3人で「負けないゲームをしよう。同点じゃなくても(救援陣を)つぎ込もう」とミーティング。その信念にぶれはなかった。

 セ・リーグで唯一、7年連続でCS進出している指揮官だからこそできた短期決戦での決断。もちろん、その背景には沢村の後も、山口、マシソン、西村という強力な救援陣を擁している自信がある。今季、巨人が6回終了時にリードもしくは同点の試合は73勝11敗6分けの勝率・869。データ的な裏付けもあった。さらに今シリーズがもつれこんでも、内海は余力十分で第5、第6戦に先発できる。

 試合中に珍しく喜怒哀楽を出した原監督は「まだなんていうか修業が足りないのでね」と笑わせた。アドバンテージと合わせて2勝。「あしたはもう少し力を抜いて、得点がどんどん入るゲームにしたい」。王手は一気にかかる。

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2013年10月17日のニュース