西武・渡辺監督が退団へ 後任に潮崎2軍監督、伊原元監督浮上

[ 2013年10月15日 06:00 ]

<西・ロ>ロッテに敗れ肩を落として球場を後にする渡辺監督

パ・リーグCSファーストステージ第3戦 西武1―4ロッテ

(10月14日 西武D)
 西武の渡辺久信監督(48)が今季限りでの退団が確実となったことが14日、分かった。この日、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでロッテに1勝2敗で敗退。就任6年目の今季は1年契約で、関係者によると、渡辺監督は5年連続でリーグ優勝を逃した責任を感じているという。15日にも球団と話し合いを持ち、辞意を伝えるとみられる。後任に潮崎哲也2軍監督(44)らの名前が挙がっている。

 CSファーストS敗退から約1時間後、渡辺監督は西武ドームの駐車場へと歩を進めながら、自らの去就について「今、終わったところ。じっくり考える」と白紙を強調した。だが、親しい関係者には「責任は取らなきゃいけない」と漏らしており、5年連続でリーグ優勝を逃した責任を強く感じているという。

 この日、試合後にはスタッフミーティングを行い、秋季練習を23日から行うことを決めた。渡辺監督は「来年頑張ろう」と話したが、その時点で心は固まっていたようだ。早ければ15日にも球団側と話し合い、辞意を伝えることになる。

 就任6年目の今季は、中島がFAでメジャーに移籍し、主砲・中村も故障で長期離脱を強いられた。5月8日まで単独首位をキープしていたが、その後は失速。8月終了時点では首位に9ゲーム差の4位に低迷した。最後は8連勝でフィニッシュして2年連続の2位に入ったが、今月8日の本拠地最終戦となったロッテ戦後には、ファンへのあいさつで「優勝を目標に掲げてやってきましたが、期待に応えられず、本当に申し訳なく思っています」と謝罪した。

 79年に西武ライオンズとなって以降は常勝軍団を築き上げ、リーグ優勝から遠ざかった期間は3年間が最長だったが、昨季そのワースト記録を更新し、今季はさらに5年連続に伸びた。その事実を重く受け止める一方で、関係者によると、主力に故障者が続出する中、目立った補強がなかったフロントにも不満を抱いていたという。

 渡辺監督は08年の就任1年目にチームを日本一に導き、6年間で5度のAクラス入り。今季も菊池を筆頭に十亀、野上ら若手先発陣を開幕からローテーションで起用し、野手では4番に据えた浅村が打点王のタイトルを獲得した。鈴木葉留彦球団本部長は「今季の手腕は評価している」としたが、続投要請については「現時点ではしていない。早いうちに一回お会いしたい」と話すにとどまった。球団としての方針決定についても「デリケートな問題なのでお答えできない」としていた。

 渡辺監督の後任候補には潮崎2軍監督や、02年から2年間指揮を執った伊原春樹元監督(64)の名前が挙がっている。23日からは秋季練習が始まるため、早急に監督人事を進めることになる。

 ◆潮崎 哲也(しおざき・てつや)1968年(昭43)11月26日、徳島県生まれの44歳。鳴門から松下電器に入社、ソウル五輪出場。89年ドラフト1位で西武入団。先発、救援の両方で活躍し、04年まで通算523試合登板で82勝55敗55セーブ、防御率3.16。07~10年西武コーチ、今季2軍監督を務める。

 ◆伊原 春樹(いはら・はるき)1949年(昭24)1月18日、広島県生まれの64歳。北川工(現府中東)から芝浦工大を経て70年ドラフト2位で西鉄入団。巨人、クラウンと移籍し80年に引退。81~99、01年西武コーチ、00年阪神コーチ、02~03年西武監督、04年オリックス監督、07~10年巨人コーチを歴任した。

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