ロッテ 牧田攻略法を徹底 速いテンポを初球直前のタイムで崩す

[ 2013年10月15日 06:00 ]

<西・ロ>初回無死、タイムで牧田を揺さぶるロッテ・根元

パ・リーグCSファーストステージ第3戦 ロッテ4―1西武

(10月14日 西武D)
 西武先発・牧田を揺さぶったチーム一丸の「タイム作戦」――。今季2敗(1勝)を喫し、防御率1・50と抑え込まれていた苦手サブマリン。ロッテ打線は、サブロー内野手(37)の号令で驚くべき作戦に出た。投球の前にタイムをかけ、相手のリズムを崩す。前夜の選手ミーティングで決まった奇策。ナインが自主的に、束になって立ち向かうことで勝利への流れを呼び込んだ。

 0―15の大敗を喫した前夜。サブローは、立川市内のホテルの自室に主将の岡田、根元らを呼び集めた。選手だけのミーティング。「もう勝つか負けるかしかない。それに、やるのは俺たちだ!」。牧田特有の速いテンポを封じるには何をすべきか。出した答えが「タイム」だった。

 初回。牧田がプレーボール直後の第1球を投げようとした時、1番・根元はいきなりタイムを取った。さらに2番・岡田、3番・井口も。2回も先頭のサブローが、牧田が投げようとした瞬間にサッと右手を上げた。「選手同士で話してね。徹底してやろう、と。一番嫌がることだから」。2回まで打者8人のうち6人がタイムをかけ、5人は初球の前に球審に向かって手を上げた。そのしつこさに2回終了後、西武・渡辺監督が審判に確認を取ったほどだ。

 走者がいない場面で、牧田が捕手からの送球を受け取って投げるまで、この日は6・5秒前後。同様にテンポがいいとされるロッテ先発・唐川の7・5秒前後より1秒も速い。実はサブロー自身、8日の最終戦(西武ドーム)で牧田に対してタイムを取り、直後の初球を本塁打していた。しかしチームは2―10で大敗。3位に転落した。その悔しさを晴らすべく、同様の策をさらに徹底し、そして全員で行った。

 「今まで僕たちは束になってやってきた。それがいい結果につながった」と岡田。プレーを止めるのは必ずしも褒められた作戦とはいえないが、正攻法だけでは勝てないのが短期決戦。5、6回と2本塁打で牧田を降板に追い込み、サブローは「結果的にはリズムを崩せたと思う」と言った。一丸。下克上には、その2文字が欠かせない。

 ▼ロッテ・立花打撃コーチ 球場に着いたら、サブローが「(タイム作戦を)やりますよ」と提案してくれた。(牧田には)ずっとやられっぱなしだったし、ベテランがそう言ってくれて助かった。

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2013年10月15日のニュース