加藤「持ってる」プロ初打席に続きCSも初打席弾!

[ 2013年10月13日 06:00 ]

<西・ロ>8回2死一、三塁、加藤が3ランを放つ

パ・リーグ クライマックスシリーズ ロッテ11-1西武

(10月12日 西武D)
 加藤という男は、どこまでも「持ってる」不思議な選手だ。また、また初打席だ。8回2死一、三塁。7回に代走で出場した直後のCS初打席。同じ新人の増田の内角スライダーを振り抜き、西武に引導を渡す3ランをポール際ながら右翼席上段まで運んだ。

 「いつも初打席は意識していない。打った後に、また初打席だと(気が付く)」

 初々しく笑った加藤。5月12日の楽天戦(QVCマリン)で新人野手史上初となる「プロ初打席初球アーチ」。公式戦とポストシーズンの試合で、ともに初打席本塁打を記録したのはプロ野球史上初だ。今夏のフレッシュ球宴でも先制2ランでMVPを獲得。天性のスター性を兼ね備えていなければできない快挙。応援に駆けつけた両親の前で特大弾を放ち「少しは恩返しできた」と胸を張った。

 この一撃には、テレビ解説で西武ドームを訪れていた侍ジャパンの小久保新監督も絶賛。「春のキャンプでもスイングスピードの速さは感心していた。あの球をファウルにしないでポール際に入れるのは凄い。もう一度、打ってみろと言われても難しいだろう」。その上で「スケールが大きくなりそうな素材。将来、楽しみ」と侍ジャパン新世代を担う一人として期待した。

 鮮烈なデビューを飾りながら好調を維持できず、大半を2軍で過ごした今季。そして今月1日に再昇格。11日の練習で、伊東監督から「球を上から叩け」との助言を受け、それを実践した。「自分は本塁打バッターではないので、与えられた役割を見失わないようにしたい」と加藤。ラッキーボーイであっても、地に足が着いている。

 ◆加藤 翔平(かとう・しょうへい)1991年(平3)3月28日、埼玉県加須市生まれの22歳。小学校2年生から野球を始め、中学時代は加須シニアに所属。春日部東1年から両打ちに転向したが、甲子園出場はなし。上武大では1年春からレギュラーに定着。3年春から3季連続でベストナイン。12年ドラフト4位でロッテに入団。今季は23試合で打率・154、1本塁打、1打点。1メートル83、84キロ。右投げ両打ち。遠投120メートル。50メートル5秒9。

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2013年10月13日のニュース