落合GM初仕事 達川氏をバッテリーコーチで招へい

[ 2013年10月12日 06:00 ]

就任会見で、記者の質問に答える中日の落合GM

 中日がバッテリーコーチに元広島監督の達川光男氏(58)を招へいすることが11日、分かった。ゼネラルマネジャー(GM)に就任した元監督の落合博満氏(59)はこの日、名古屋市内で会見し、谷繁元信新監督(42)の下で、黒子役に徹することを宣言。新GMは監督経験者の達川氏の獲得に動くなど、12年ぶりのBクラスに終わったチーム再建を目指す。

 落合GMは淡々と抱負を口にした。会見では谷繁新監督を全面的にバックアップすることを約束。「現場は全て監督に任せる。あくまで谷繁率いる中日ということを前面に押し出したい」と控えめに話した。

 会見後。再び「俺は黒子に徹するだけ。極力表に出ないようにしないと。それがこのチームを浮上させる一番のポイント」と述べたが、その裏側では、早くも再建の手を打っていた。この日、元広島監督の達川氏に、バッテリーコーチ就任を要請する方針を固めたことが分かった。

 落合GMの東洋大の後輩(落合GMは中退)にも当たる達川氏は、78~92年に広島で個性派選手としてプレー。就任となれば03年の阪神コーチ以来11年ぶりのユニホームとなる。谷繁監督の就任1年目となる来季は、選手としての比重が重くなることも予想される。そこで同じ捕手として経験豊富な達川氏に白羽の矢が立った。落合GMは、会見で新監督の契約は最低4年間という破格の期間であることを明言したが、最初の2年間は谷繁監督が野村克也氏の出場記録(通算3017試合)更新という目標を抱えている。「それまでは補佐していこうという気持ち。3年目になれば監督自らどういう組織をつくって、どういう野球をしたいか打ち出される」と説明した。加えてチームでは、今年12月で43歳となる谷繁監督の「後継者」ともいえる若手捕手の育成も急務。達川氏にはその点でも大きな期待が寄せられる。

 GM初仕事は約7時間の打ち合わせだった。午後0時半に球団事務所に姿を見せると、30分の会見を挟んで、新任の佐々木崇夫球団社長(66)らと会談。事務所を後にしたのは、午後8時だった。会談の内容は明言を避けたが、チーム再建のビジョンを示したという。「同じ方向を目指してやらないと、この船は沈没する。実際、沈没しちゃったんだから。それを立て直すには倍じゃなく、3倍、4倍の力がいる」と熱く語った。

 黒子に徹しても求められるものは大きい。「優勝するチームをつくらなきゃ、やる意味がない。勝負事はそういうこと」。落合GMは自身に言い聞かせるように、決意表明した。

 ◆達川 光男(たつかわ・みつお)1955年(昭30)7月13日、広島県広島市出身の58歳。広島商から東洋大を経て77年ドラフト4位で広島入り。巧みなリードの頭脳派捕手としてベストナイン、ゴールデングラブ賞を各3度獲得。通算成績は1334試合で打率・246、51本塁打、358打点。92年限りで引退後は95年にダイエーのコーチ、99、00年に広島監督、03年に阪神コーチを務める。1メートル77、74キロ。右投げ右打ち。

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