涌井 稲尾超え10連投!西武 2位に0・5差で最終決戦へ

[ 2013年10月7日 06:00 ]

<楽・西>9回、力投する涌井

パ・リーグ 西武4―3日本ハム

(10月6日 札幌D)
 パ・リーグの2位争いは最終戦の直接対決までもつれることになった。3位の西武は日本ハムに4―3で勝利。7回に逆転すると、最後は守護神の涌井秀章(27)が締め、今季最多の7連勝を飾った。涌井は稲尾和久の球団記録を更新する10試合連続登板。オリックスに1―3で敗れたロッテに0・5差に迫り、8日にクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの本拠地開催を懸けた直接対決に臨む。
【試合結果】

  試合終了後の通路。史上2人目となる6日連続セーブを挙げたというのに、涌井はいつも通りクールに振る舞った。「記録とか別にいいでしょう」と言いながらも、右肩と右肘にアイシングを施して報道陣の前に登場。「体は大丈夫じゃない。でも普通に生活して、普通に投げてるだけですよ。勝ってばかりなので疲れも飛ぶし、多少癒やしにもなってる」。独特の言い回しで7連勝を喜んだ。

 前日は逆転勝利で4年連続のCS進出を決めた。この日もチームは7回に逆転。出番は1点リードでやってきた。先頭の大谷には150キロ連発で、空振り三振。四球と犠打で2死二塁から陽(ヨウ)岱(ダイ)鋼(カン)を迎えた。「勝負する。ここで決めよう」。気持ちを引き締めて、内角攻め。相手もファウルで食らいつく。7球目。最後は外角へ151キロをズバリと決めた。6戦連続セーブの大仕事に、渡辺監督も「(1点差は)もう慣れたね。よく集中力を切らさずやってくれた」とねぎらった。

 連日連夜の奮闘は10試合目。連続試合登板では、「神様、仏様、稲尾様」とあがめられた稲尾和久の球団記録を更新した。もはや快進撃のチームには不可欠の存在だが、9月28日まで守護神を務めたサファテへの思いが、涌井の心をかき立てている。「もとはサファテが抑えだったけど、突然こういう形になって。彼はいいヤツなのであまり気にしていないかもしれないけど、あいつの気持ちも考えながら投げている」。毎日のマッサージは欠かせず、連投で体には張りもある。それでも志半ばで不振から守護神の座を降りた助っ人を思う気配りが、支えになっている。

 ロッテとの差を0・5ゲームに詰め、8日に今季8勝の牧田を先発させ、本拠地CS開催をかけた直接対決に臨む。94年に中日―巨人の同率首位決戦が行われた「10・8」。当時8歳だった涌井は、「巨人と中日のね。(最後は桑田の)カーブで終わったんですよね」と述懐する。その日は、今季限りで現役を引退する師匠であり、盟友だった石井一久の引退セレモニーがある。「みんなカズさんに勝ち星をプレゼントしたいと思ってる。僕も最後に投げさせてもらって、いいとこ取りして終わりたい」。決戦のフィナーレで仁王立ち。鉄人は11連投締めにふさわしい舞台を思い浮かべていた。

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2013年10月7日のニュース