“代打の神様”桧山 日本一で花道を「仕事はまだ残っている」

[ 2013年10月6日 06:00 ]

<神・巨>ナインに胴上げされる桧山

セ・リーグ 阪神4-3巨人

(10月5日 甲子園)
 阪神・桧山は「代打の神様」ではなく、往時の定位置だった「5番・右翼」でスタメンに名を連ねた。伝統の一戦では07年5月10日以来、6年ぶりの先発。92年5月30日のプロ初出場も巨人戦だった。

 全て直球勝負だった小山の前に左飛、右飛、一ゴロ。「ミスショットばかりでふがいない」と苦笑いだったが、「自分には大事なポジション」と言う右翼の守備は無難にこなした。今季最多4万7046人の大歓声がチーム一筋22年の生え抜き選手を包んだ。

 試合は0―3の8回に相手が次々に失策し、4点を奪っての神懸かり的な逆転勝ち。ウイニングボールを東洋大の後輩・福原から手渡されると「本当にいい形で終えられた」と笑顔を見せた。

 入団時は1メートル78、71キロと細身だったが、3年で筋力量を増やし体脂肪を減らした。筋肉量は8キロ増え、スクワットは230キロを上げた。チーム一筋22年。低迷を極めた「暗黒時代」に中軸で奮闘し、近年は代打の切り札としてチームを支えた。

 スピーチでは「代打・桧山をコールされた時の地響きのような歓声は一生忘れません。僕は、リーグ優勝は2度経験しましたが、日本一の称号がありません。その忘れ物をいつか必ず取りに来ます」と宣言。最後はナインに8度胴上げされた。

 「きょうは一つの区切りで、本当の仕事はまだ残っている」。44歳はCSでは再び「代打の神様」に戻る。有終の美を飾るのは、まだ先だ。

 ◆桧山 進次郎(ひやま・しんじろう)1969年(昭44)7月1日、京都府生まれの44歳。平安(現龍谷大平安)―東洋大を経て、91年ドラフト4位で阪神入団。95年から外野のレギュラーに定着し、03、05年のリーグ制覇に主力打者として貢献。03年7月2日中日戦(甲子園)でサイクル安打達成。06年から主に代打の切り札として活躍。1メートル77、78キロ。右投げ左打ち。
 

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