西武 浅村でCS王手 23歳シーズン106打点は王に並ぶ歴代2位タイ

[ 2013年10月5日 06:00 ]

<楽・西>3回1死二塁、秋山の適時打で生還し、ベンチの祝福を受ける浅村(右)

パ・リーグ 西武6-4楽天

(10月4日 Kスタ宮城)
 連夜の激闘を制し、5連勝で4年連続のCS進出に王手をかけた。だが、殊勲打を放った西武・浅村に笑顔はない。「あした勝たなければ意味がない。疲れどうこうなんて言ってられませんから」。それは4番を務める男の言葉だった。

 0―0の3回1死満塁。カウント3ボール。「ど真ん中に来たら、思い切りいく」と、急きょ登板し、制球が定まらない楽天・福山の4球目の直球を狙いすまして強振した。フェンス直撃の中越え二塁打で3人の走者が生還。「満塁なら四球でも1点入る。いつも以上に甘めに(ゾーンを)設定していた」。失投を逃すはずがなかった。

 これで106打点。次点の日本ハム・アブレイユに11点差をつけて自身初の打点王にも大きく前進し、23歳シーズンの打点記録は王貞治に並び歴代2位タイとなった。勝利打点はリーグトップタイの15となり、満塁での打率は驚異の・462。何という勝負強さだ。

 大混戦のCS争い。4番への重圧は日増しに強まるが、渡辺監督は4度の本塁打王を獲得した中村が復帰しても浅村を動かさない。当初はチーム打撃に徹し「4番は慣れない」とこぼしていたが、大阪桐蔭の先輩でもある中村に「打点は稼げる時に稼いでおいた方がいい」と助言を受けた。4番が個人タイトルを狙うことは、持ち味を存分に発揮するということ。「そういう意識でいいのか」と肩の力が抜けた。そして「4番が打たなければ負ける」とプレッシャーを力に変え、思い切りの良さに磨きをかけた。

 残り3試合。渡辺監督が「あと3試合、勝ちにこだわって、自力で何とかしたい」と言えば、浅村は「タイトルは気にしていないけど、まだ伸ばしたい。とにかく必死にやりたい」。冷え込む仙台でも心は熱く、全力でCS切符をつかみにいく。

 ≪63年王(巨)に並ぶ2位タイ≫浅村(西)が3回満塁走者一掃の中越え二塁打。これで今季の打点は106。11月に23歳を迎えるが、23歳シーズンで106打点は71年門田(南海)の120打点に次ぎ、63年王(巨)と並ぶ2位タイになった。また、打点王争いでは2位のアブレイユ(日=95打点)と11打点の大差。23歳シーズン以下で打点王ならチームでは53、56年に中西が20歳、23歳シーズンで獲得して以来57年ぶり2人目になる。

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