西武・熊代「ナメんなよ!」 試合中に長男誕生、プロ初サヨナラ打

[ 2013年9月30日 06:00 ]

<西・ロ>10回2死一、二塁、プロ初のサヨナラ打を放ち、ナインと喜ぶ熊代(左)

パ・リーグ 西武6-5ロッテ

(9月29日 西武D)
 驚きはもう一つ残っていた。ヒーローインタビューで、お立ち台に上がった西武・熊代は自らマイクを握った。「私事ですが…第1子が誕生しました!パパになって初めて良い仕事ができました!」。父親となった約2時間半後の午後6時30分にプロ初のサヨナラ打。西武ドームの観衆が沸き、祝福の歓声が降り注いだ。

 逆転CSには負けられない試合。9回に1点差を追いつかれ、延長戦に突入していた。10回2死二塁。相手バッテリーは6番・中村を敬遠し、7回の代走から途中出場していた熊代との勝負を選択した。これに燃えた。午後4時ごろ、故郷である愛媛・今治市内の病院で2616グラムの長男が誕生。広報を通じて午後5時に知らされていた新米パパは「ナメんなよ」とバットを握りしめ、益田の直球を右翼線に落とした。二塁走者・浅村が生還。熊代はヘルメットを高々と宙へ放り投げた。

 この日は午前5時に真弓夫人(23)から「陣痛が始まった」との連絡を受けた。「出産頑張って。俺は野球をしっかり頑張るから」。睡眠は4時間。ロッカーでは落ち着かなかったが、試合に入ると目の前の戦いに集中した。昨年8月17日の楽天戦(西武ドーム)では三重殺を完成させるなど「守備の人」のイメージが強い熊代。今季から両打ちを右打ち一本に戻し、毎日アーリーワークに汗を流した成果が実った。30日は試合がなく、全体練習も休み。「子供が打たせてくれたのかな。何とか会いたい。夜行バスとか…」と笑顔で車に乗り込んだ。

 「よく打った。代打を出さなくて良かったよ。最後まで諦めない気持ちでやっていく」と渡辺監督。天使が運んだ今季9度目のサヨナラ勝ち。戦いはまだ終わらない。

 ◆熊代 聖人(くましろ・まさと)1989年(平元)4月18日、愛媛県生まれの24歳。今治西では3年時にエース兼4番を務め8強入りなど、3度の甲子園出場。日産自動車―王子製紙を経て、10年ドラフト6位で西武入団。50メートル5秒9、遠投110メートルと抜群の身体能力を誇る。1メートル75、74キロ。右投げ右打ち。

 ≪日曜日は打率5割超え≫熊代(西)が自身初のサヨナラ打。熊代の勝利打点は6月30日の日本ハム戦以来今季2度目で、前回も日曜日のデーゲーム。これで日曜日は17打数9安打の打率・529、デーゲームは25打数13安打の打率・520と得意にしている。また、西武は9月4度目のサヨナラ勝ち。月間4度は97年9月以来3度目となる球団月間最多タイ。シーズン回数も今季両リーグ最多の9度とし、同年の球団記録10度にあと1と迫った。

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