新井良が今季初犠打 CS意識したサイン

[ 2013年9月26日 06:00 ]

<神・D>6回裏無死一塁、新井良は投前犠打を決める

セ・リーグ 阪神2-4DeNA

(9月25日 甲子園)
 シーズン中にはない、CSをにらんでのサインだった。1―1で迎えた6回無死一塁。和田監督は迷うことなく、6番新井良に犠打を命じた。初球を投前に転がし、福留を得点圏に進めた。後続が倒れ得点にはつながらなかったが、新井良に今季初めて犠打を命じた。

 「両投手の内容を考えて次の1点をどちらが取るかという展開だったからね」

 指揮官が心中を明かすことはなかったが、直前の第2打席で新井良は中前打を放っていた。6番という打順を考えても、これまでならば追い込まれるまで自由に打たせていたケース。2、3点ではなく、次の1点にこだわった采配は、ファーストステージで対する広島戦を意識してのものに違いなかった。

 「CSに向けて接戦を取るというのが多くなってくる。広島はピッチャーのいいチーム。打ち合いにはなりづらい。こういうゲーム展開になると思うので、どうやって1点を取るかを考えないといけない」

 対広島について問われると、ロースコアの投手戦を想定した。実際、今季の対戦を振り返っても過去23試合のうち、4点までで勝敗が決したのが実に14試合。しかも両軍ともエース級の登板になることから、投手戦になる確率は非常に高い。だからこそ、1点の重みがモノを言う。ここからの残り9試合は、より緻密な野球を目指してやっていくしかない。

 3回、鳥谷の二塁内野安打で本塁を狙った二塁走者・俊介は、間一髪アウトだった。「是非うんぬんではなく、流れを持ってこれなかった」。指揮官が本塁憤死を責めることはなかった。走塁での判断力もチーム全体で取り組むべき課題だからだ。

 「甲子園でやるのを一日でも早く決められるように。そういう戦いをしていきたい」

 26日のDeNA戦には、9カードぶりの勝ち越しもかかる。もう、これ以上の失速は許されない。和田監督は2位死守をあらためて誓って、会見場を後にした。

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2013年9月26日のニュース