バレ逆転3冠1差 低め「クソボール」打ちで2打点

[ 2013年9月26日 06:00 ]

<ヤ・巨>1回2死三塁、左前適時打を放つヤクルト・バレンティン

セ・リーグ ヤクルト7-6巨人

(9月25日 神宮)
 悪球打ちの本領を発揮し、ついに打点トップに肉薄した。初回2死三塁の第1打席。2ボールから外角低めの99キロカーブにヤクルトのバレンティンが食らいついた。捕手の河野がワンバウンドかと思い、両膝をついて捕球体勢に入ったほどの低さ。だが前のめりになりながら、地面すれすれのボールに腕を目いっぱい伸ばして左前に運んだ。

 「当たりは全く気にしていない。打点もついたし、チームも勝てたのでよかった」。58号を放った18日のDeNA戦(横浜)以来、6試合ぶりの打点に気を良くすると、4回にも2死一、二塁からフォークにタイミングを外されながら右前へポトリと落ちるラッキーな適時打で2打点目。今季神宮での巨人戦の対戦成績を7戦7勝に導く一打に満足げだった。

 24日の巨人戦(神宮)では7回に見逃し三振に倒れた判定を不服とし、暴言を吐いて来日初の退場処分を受けた。厳重注意と制裁金10万円を科されたが、試合前の出来事でそんなモヤモヤは吹っ飛んだ。「2本打ったら監督賞をやる」。小川監督からそう言われた8月21日の巨人戦(神宮)で43、44号をマークし、球団記録に並んだ。この日の試合前。約束通り、指揮官から監督賞のグラブ2つが届くと、たちまちご機嫌に。打撃だけでなく、守備や走塁でも前日の借りを返すハッスルプレーを見せた。

 これでリーグトップの打率(・332)、本塁打(58本)に続き、打点も124打点とし、DeNAのブランコについに1打点差。試合数もブランコよりも3試合多い10試合残しており、球団史上初の3冠王が現実味を帯びてきた。「今まで通りやってどうなるか、結果を待ちたい」。本塁打は6戦不発だが、バレンティンのバットに再び点火の兆しが見えてきた。

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2013年9月26日のニュース