広島7連勝!石原が万年Bクラスにサヨナラ弾 4位中日と5・5差

[ 2013年9月18日 06:00 ]

<広・神>9回無死、サヨナラ弾の石原(31)を迎える広島ナイン

セ・リーグ 広島2-1阪神

(9月17日 マツダ)
 快音とともに大歓声が湧き起こった。1―1の9回、広島の石原が捕手らしく狙い球を絞ったように久保の初球、146キロの直球を捉え、左翼席へ運んだ。

 チームに4年ぶりの7連勝をもたらし「打球がどこにいったのか分からない。とにかく入ってよかった」。安堵(あんど)の表情を浮かべた34歳のベテランだが、「サヨナラ男」だけに落ち着いたものだ。10年4月13日のヤクルト戦(神宮)以来、通算4本目のサヨナラ本塁打で、山本浩二の5本に次ぎ、球団2位タイに浮上。それだけではない。09年以来5年連続となるサヨナラ打。劇的な場面で大仕事をするのが石原だ。

 円陣を組んだ4回。2死満塁ではメッセンジャーの低めの速球に食らいついて二塁へゴロを放つと、ヘッドスライディングで先制の適時内野安打に。「足も速くない。自然とベースに早く着こうという気持ちがそうさせた」。入団12年目。山本浩二、衣笠祥雄を擁した赤ヘル旋風、江夏豊の21球など、広島の栄光はもちろん、Aクラスの経験すらない。「今年、いい結果を出してこそ、今までの悔しい経験が意味を持つ」と球団初のCS進出への執念が打撃と走塁にこもった。

 全打点を挙げた上、守備でもプロ入り同期の大竹を好リード。これも4年ぶりの完投に導き「(大竹)寛に勝ちが付いてよかった」と女房役の気遣いをのぞかせた。借金は3まで減り、4位中日との差は5・5ゲーム。そればかりか、2位阪神を5ゲーム差と猛追。野村監督は「びっくりした。最高の形で勝てたね」と声を弾ませた。

 ▼山本浩二元監督 キラが途中加入して柱ができたことで、その前後を打つバッター、打線の意識が変わる。それぞれが自分の役割を全うしていると感じる。昨年9月に失速した悔しい思いもあるだろう。野村監督が我慢して起用してきた選手たちも徐々に芽を出すなど、いい部分がたくさん出ている。このまま、クライマックスシリーズへ向かってもらいたい。ただ、これが本当の強さかどうかは現時点で判断はできない。強い広島をもう一度つくり上げるには、しっかりとした野球を継続してやっていくしかない。

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