初CS見えた6連勝!野村監督執念采配実り竜に4・5差

[ 2013年9月17日 06:00 ]

<広・巨>プロ入り初安打初適時打の鈴木誠(左から2人目)と小窪(左から3人目)は菊池(左)、松山からお立ち台で水をかけられる

セ・リーグ 広島5-4巨人

(9月16日 マツダ)
 最後は薄氷を踏んだ。4点リードの9回に守備のミスが相次ぎ、1点差にまで迫られた。3万2000超の観衆も静まり返る窮地。それでも粘る巨人を何とか振り切り、今季初の6連勝。就任4年目で自己最多の62勝目を挙げた野村監督は安どの表情を浮かべた。

 「10何年間もBクラスにいるチームということが証明された。野球の神様がいい教訓にしなさいと言ってくれた」

 執念の継投を見せた。4回無死。先発の中村恭がこの日、5個目の四球を出すと無失点のまま2番手・今村にスイッチ。4回2死一、二塁の先制機では、その今村に代え、新人の鈴木誠を代打に送った。さらに今井、横山も惜しみなく投入し、9回は4点差がありながら、守護神のミコライオを投入した。「オチが付くのがこのチームだけど、投手陣も頑張ってくれた」。最終回さえ除けば、理想的な試合展開だった。

 この日は8回にキラ、エルドレッドの連打などで4点を奪ったが、野村監督は助っ人が最大限に力を発揮できる環境づくりに腐心している。自身は08年に大リーグ・ロイヤルズの臨時コーチに就任。当初は言葉の壁に苦しんだが、羞恥心を捨てて会話をすることで英語を身につけた。「話せると思われたら困るよ。僕の言葉なんか、文法とかメチャクチャなんだから」と話すが、外国人選手からは「ケニー」の愛称で慕われている。

 4位・中日とのゲーム差は今季最大の4・5。前回の97年以来、実に16年ぶりのAクラス入りは目前だ。当時を知る唯一の1軍選手で、今季初白星をつかんだ19年目の横山は言う。「前回は投げることが楽しくて重圧はなかった。今回も重圧はない。弱いチームより、強いチームの一員でいたい」。球団史上初のクライマックスシリーズ進出が、いよいよ現実味を帯びてきた。

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2013年9月17日のニュース