おかわり 愛妻誕生日に1号 ケガ乗り越え今年で5回目

[ 2013年9月11日 06:00 ]

<ソ・西>7回2死、ソロを放った中村は奈良原コーチ(左)の出迎えを受ける

パ・リーグ 西武5-5ソフトバンク

(9月10日 ヤフオクD)
 復帰4試合目で待望の今季初本塁打。西武・中村の表情には悔しさと安どが入り交じった。

 「試合に勝ちたかったね。でも1本出て、気持ち的には楽になった」

 1点を追う7回2死走者なし。初球を見逃し、強振した2球目の自打球が左足の爪先を直撃した。顔をゆがめ、しばらく動けない。「当たった瞬間、折れたと思った。でもあれで力が抜けたのかも」。何とか打席に戻り、ファルケンボーグが投じた4球目、高めに抜けてきた甘いフォークボールを叩いた。「芯で捉えたからいくと思った」という打球は、中村らしい高い放物線を描き、左翼席に飛び込んだ。

 昨年10月3日の楽天戦(Kスタ宮城)以来、実に342日ぶりの一発。ただ、昨秋に手術した左膝、さらに左肩と万全の状態には程遠い。「しんどいよ。でも大丈夫」と気丈に振る舞う裏では、試合前の入念なマッサージは欠かせず、大嫌いな痛み止めを飲んで臨んでいる。

 歯がゆさは自身が一番感じている。今季から導入されていた「飛ぶボール」。ヤクルト・バレンティンがプロ野球新記録の56号を達成する勢いだが、中村は「飛ばないボールの時に(自分が)新記録をつくりたかった」と漏らしたこともあった。昨季までパ・リーグ2年連続本塁打王のプライドでもあった。

 くしくも10日は麻里恵夫人の32歳の誕生日。08年7月に婚姻届を提出して以降、9月10日に試合がなかった昨年を除く5年間は全て「バースデーアーチ」を届けたことになる。「その話はいいでしょ」と照れた。支えてくれた家族へ、そして仲間とファンに贈った一発で、復活ののろしを上げた。

 ≪中村の左膝負傷からここまで≫

 ▽12年6月3日 DeNA戦(西武ドーム)の守備中に左足を地面に着いた際、左膝を痛める。

 ▽10月16日 左膝の精密検査を受け、前十字じん帯損傷と外側半月板損傷が判明。

 ▽10月25日 左膝の前十字じん帯と半月板の修復手術を受ける。

 ▽12月4日 リハビリ開始。

 ▽13年3月23日 30メートル程度の距離でキャッチボールを再開。

 ▽7月20日 術後、1軍の全体練習に初参加。フリー打撃では33スイング中4本の柵越え。

 ▽8月16日 イースタン・リーグDeNA戦(横須賀)で実戦復帰。8回に代打で左中間にソロ本塁打。

 ▽9月3日 イースタン・リーグDeNA戦(西武ドーム)で17日ぶりの実戦も左肩痛が再発。

 ▽9月6日 ロッテ戦(QVCマリン)で334日ぶりに1軍復帰。2打席目に左前適時打。

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