村田&長野弾!藤浪叩いて19歳新人に聖地初黒星つけた

[ 2013年9月8日 06:00 ]

<神・巨>逆転2ランの村田がファンの声援に応える

セ・リーグ 巨人4-1阪神

(9月7日 甲子園)
藤浪はもう怖くない。巨人は7日、阪神先発の藤浪晋太郎投手(19)から村田修一内野手(32)が4回に、長野久義外野手(28)が5回に2点本塁打を放って、甲子園無敗の新人を撃破した。初対戦となった8月4日(東京ドーム)には6回零封されたが、2度目の対戦でしっかり攻略。この勝利で優勝へのマジックナンバーは2つ減って「14」となると同時に、3位以内が確定し、両リーグ一番乗りでクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。

 2ラン2発で、甲子園で「生涯無敗」だった藤浪に黒星をつけた。

 「前回はスライダー、カット系の球にやられていた。何とか打ち返したかった」

 まずは村田がぶち込んだ。0―1の4回無死一塁。初球から好球は全て振り、ルーキーに重圧をかけていく。そして1ボール2ストライクから、「追い込まれていたのでコンパクトに振っていくよう意識を変えた。うまくバットで拾えた」。甘く入った135キロのカットボールを左翼ポール際へ運んだ。8月の月間MVP対決を制す逆転の23号2ランとなった。

 続く5回には長野が150キロの直球を捉え、逆の右翼ポール際へ16号2ラン。「風ですね。めっちゃ吹いてました」と謙遜したが、しっかり振り切った結果だった。

 8月4日。藤浪との初対決で村田は3打数1安打、長野は3打数無安打で、チームは6回を零封された。村田はその後、同戦はもちろん、それ以外の藤浪の登板試合の映像を見続けてきた。「やはりスライダー、カット系をどうするか。(外角で)空振りするボールは、届かない球だから引っ張りきれない。かといって、右へ打つのも球に力があるので難しい。うまく引っかかるような変化球を待つしかなかった」。本塁打の場面は追い込まれていたため、タイミングは直球に合わせていたが「頭にあったのでうまくカット系を拾えた」と失投を逃さなかった。

 藤浪の特徴は、プレートの一塁側から三塁側へダイナミックに踏み込むクロスステップ投法。右打者は投球が自分に向かってくる感覚に陥り、自然と体が開きやすくなる。そこに遠い外角へのカット系を集められ、前回は料理された。前日まで藤浪の対左右別被打率を見ると、左打者の・283(187打数53安打)に対し右は・194(211打数41安打)。右打者にめっぽう強い右腕を、村田、長野という右のスラッガーがそろって攻略した。

 大事に至らなかったことで、村田の本塁打の直前に阿部が受けた死球も「効果的」だった。試合後、阪神・和田監督は逆方向の打撃が持ち味の長野に右翼へ本塁打を喫したことに触れ、「阿部の死球から全く内角に投げられなくなった」と外角一辺倒で遠慮した攻めを嘆いた。

 5試合ぶりの勝利で、優勝マジックは14。「効果的な2ランで素晴らしい日大コンビ(村田、長野)だったと思う」と原監督。CSでの藤浪との再戦に向けても、精神的に優位に立つ価値ある白星となった。

 ▼巨人・阿部(4回に左膝に死球を受け、村田の2ランで生還)当たった場所が良かった。修(村田)が歩いて還してくれたよ。

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