バレ大振りで捕手に“一発”不振5戦25打席ノーアーチ

[ 2013年9月8日 06:00 ]

<中・ヤ>9回1死、空振りしたバレンティンのバットが捕手・小田の頭部に直撃

セ・リーグ ヤクルト1-4中日

(9月7日 ナゴヤD)
 バットをぶん回したヤクルトのバレンティン。直後に、「コツン」という鈍い音がナゴヤドームに響いた。9回の第4打席。フルカウントから中日の守護神・岩瀬が投じた6球目、見逃せばボール球の内角低めのスライダーを強引に振りにいった。一発狙いの大きいフォロースルーが捕手の小田の前頭部を直撃した。

 「我慢しないと。無理やり打つことはできない」

 試合後は自らを戒めるように話したが、これが見えない壁か。55本塁打のプロ野球記録にあと3本に迫ったバレンティンの勢いがぱったり止まった。8月30日のDeNA戦(神宮)で52号を放ったのを最後に5試合25打席連続不発。5月19日の楽天戦(Kスタ宮城)から同31日の西武戦(西武ドーム)までの9試合以来のブランクで、月間新記録の18本を量産した8月から一転、9月はまだ1本もでない。

 4回に詰まりながら右前適時打を放ったが、9月の4試合は14打数3安打の打率・214。9月に入ってから始まった厳しい内角攻めの影響で、打撃自体を崩しているように見える。同僚の宮本も「内角を意識しすぎて今まで打てていた外の球を捉えられなくなってきている」と指摘する。さらにローズが55本塁打を放った01年に近鉄のヘッドコーチだった伊勢ヒッティングコーディネーターは「ローズも打ちたくてウズウズしていた」とバレンティンも同様に精神面の課題を挙げる。

 池山打撃コーチも「四球を取れるところで手を出している」と懸念。残り25試合。依然、年間63発ペースだが、試練の時が訪れた。

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