0時3分ようやく決着…ソフトB パ最長6時間1分の死闘制した

[ 2013年9月5日 06:00 ]

<日・ソ>6時間1分の死闘を制したソフトバンクナイン

パ・リーグ ソフトバンク9-7日本ハム

(9月5日 東京D)
 やっと、やっと、やっと終わった。パ・リーグ史上最長の6時間1分。今世紀最長試合だ。目をしょぼつかせたソフトバンクの秋山監督は「全員野球だ!」と声を絞り出した。

 最後はブルペンが空っぽ。控え捕手の山下以外、ベンチ入り24選手が出場した総力戦。球場を引き揚げるナインも笑顔だが、ぐったりと疲れ切っていた。

 4点を追う6回に6安打を集中して同点に追いついた。そこから両チームの我慢比べが延々と続いた。ようやく0行進に決着をつけたのは、1番に座る中村だった。延長12回1死一、二塁で回ってきた第7打席。ルーキー・鍵谷の初球、低めの変化球を豪快に振り抜き、右翼席へ運んだ。

 深夜のヒーローインタビュー。中村は「初球からどんどんいこうと思った。こんな長く(試合を)やるならどうせなら勝たないと、ファンの方に申し訳ない。日付も変わり ましたので、きょうもまた頑張ります」と最後まで見届けた観客を笑わせた。

 柳瀬は10番手でマウンドに上がった。1点を失ったが、代わりの投手はもういない。一発を許せば逆転サヨナラ負けとなる大ピンチを背負ったが、最後はアブレイユを遊ゴロに仕留めた。日付をまたいでセーブを挙げた。

 思わぬ恩恵もあった。打率リーグトップを走る長谷川は、2回の中前打を皮切りに、広角に打ち分け自身初の5安打を記録した。史上6人目のシーズン200安打に、残り26試合で35本に迫ることができた。「全打席で安打を打ちたい。安打を打つのが自分の仕事」と話す男は、目標へ大きく近づいた。

 両軍合わせて18投手、27安打の乱打戦。東京ドームに集まったファンも終電を気にしながら声をからし続けた。東京―博多間は新幹線で約5時間20分。片道の移動時間を大きく上回る6時間1分のロングランゲーム。長い歴史を誇るプロ野球において、歴代5位タイの長く、苦しい試合だった。

 ▼ソフトバンク・秋山監督(ベンチ入り選手24人を使う総力戦に)全員野球だ!

 ≪今世紀は日本最長≫日本ハム―ソフトバンク戦は延長12回で試合時間が6時間1分。09年7月2日西武―ロッテ(12回)の5時間42分を上回るパの歴代最長、歴代5位タイの長時間試合となった。プロ野球の最長時間試合は、92年9月11日阪神―ヤクルト(15回)の6時間26分。また、試合終了は5日午前0時3分。2日がかりの試合は06年5月21日ヤクルト―ソフトバンク戦(終了0時12分)以来7年ぶり12度目。パの試合では初めてとなった。

 ≪両軍計18人登板もリーグ最多≫登板投手は日本ハム8人、ソフトバンク10人の合計18人。パでは01年5月29日近鉄―日本ハム戦の16人(近鉄9人、日本ハム7人)を上回る両軍合計最多人数になった。なお、両軍合計最多投手のプロ野球記録は07年10月4日中日―広島戦の19人(中日10人、広島9人)。

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