阿部 バレ勝負だ!「記録が懸かっているとかは関係ない。普段通り」

[ 2013年9月3日 06:00 ]

ファンにサインするヤクルト・バレンティン(手前)の後方で搭乗を待つ(左から)内海、山口、西村ら巨人投手陣

 打てるものなら打ってみろ。3日にヤクルトと対戦する巨人が、55本塁打のプロ野球記録に迫るヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)に真っ向勝負を挑む。投手陣をリードする主将の阿部慎之助捕手(34)は、正々堂々と勝負することを明言。日本記録保持者には巨人軍OB会会長でソフトバンクの王貞治球団会長(73)が名を連ねるが、過去に見られた敬遠策とは決別する構えだ。

【バレンティンの今季成績】

 静かな火花が散った。巨人、ヤクルト両軍が呉越同舟となった羽田発全日空887便。飛騨山脈を越え富山を目指した機内は静かで、張り詰めた空気が漂っていた。

 52本塁打で日本新記録にあと4本と迫ったバレンティンに対し、まず真剣勝負を口にしたのは阿部だった。「記録が懸かっているとかは関係ない。普段通り勝負します」。捕手として投手陣をリードする主将は、さも当然という表情だった。

 8月27日の中日戦(神宮)でバレンティンが50号の大台に乗せて以降、5試合24打席で四球は9個。他球団の四球は増加した。しかも巨人にとって55本塁打は、OB会会長でもあるソフトバンク・王貞治球団会長が64年に打ち立てた聖域ともいえる偉大な記録。直接対決での記録達成は避けたいが、それでも逃げの一手はとらない。

 バレンティンは今季わずか1死球。鍵となるのは内角への厳しい攻め、と考えるのが一般的だが、阿部は違った。「ボールにがっつかなくなったでしょ。だからやみくもに踏み込むことが少なくなったし、少々の内角球は避けている」とバレンティンの本塁打量産の要因を分析した。自身も今季は98試合で4番を務めリーグ最多の12死球。厳しい内角攻めを経験するからこそ、同じスラッガーとして内角への攻めだけで攻略できる、とは考えていない。内、外角に加え、緩急も使いながら打ち取る策に思いを巡らせた。

 3日に先発する内海は「バレンティン(の話題)はおなかいっぱい」と冗談めかしながらも「逃げる必要はない。結果的に四球で逃げられたと思われたらしょうがないけど、勝負はしにいきます」と宣言した。マジック19でリーグ連覇へまい進する原監督の思いも同じだ。巨人は85年に54本塁打を放っていた阪神・バースとの勝負を避けたことがある。他球団も過去にタイトル争いで四球合戦を繰り広げたが「先人たちがやってきたことは間違いではない」とした上で、時代背景の変化も念頭に「バレンティンは関係ないでしょう」とキッパリ。「正々堂々と戦うだろう。勝つための勝負をする。優勝に向かって勝つだけだから」と対戦への意気込みを口にした。

 大正力と呼ばれる初代オーナーの故・正力松太郎氏の出身地でもある富山。「巨人軍は常に紳士たれ」の遺訓と同様、正々堂々とバレンティンを迎え撃つ。

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