藤浪 46年ぶり快記録も1時間超の中断嘆く「水を差された」

[ 2013年8月31日 23:00 ]

お立ち台で加藤(左)に手を掲げられガッツポーズする藤浪

セ・リーグ 阪神2―1広島

(8月31日 甲子園)
 セ・リーグでは46年ぶり2人目という大記録も満面の笑み、とはいかなかった。阪神・藤浪が6回1失点で今季10勝目。球団OBの江夏以来の高卒新人2桁勝利だったが、「もう少し長く投げたかったが、水を差された」と淡々と語った。

 巨人戦での3連敗、甲子園に戻った初戦も落とした。8月最後の試合を託された藤浪は自身の記録以上に大切な役目があった。「空気が良くなかった。断ち切りたい」。初回から飛ばした。

 「思い切って投げた」という藤浪だが、力みもあり走者を度々許した。それでも最少失点でとどめた。5回、1死満塁で丸、キラの3、4番を迎えたが「ここが試合のターニングポイントだと思って」(藤浪)と、臆せず勝負。丸はスライダーで見逃し三振、キラには一転して直球で押し、気後れしたようなスイングをした助っ人の打球は力ない三邪飛。勝ち投手の権利を得た。

 2度目の中断は1時間8分に及び、球数も94球に達していたため、降板をよぎなくされたことは不満げだった19歳右腕だったが、和田監督は「要所を締めた。勝てる投手の投球」と評価。10勝に達したこと以上に「貯金を多くつくっている」と負け数が4で、6つ勝ち越していることを指摘し、「集中力が途切れない」と新人らしからぬマウンドさばきに舌を巻いた。

 

続きを表示

この記事のフォト

2013年8月31日のニュース