“江戸っ子エース”に別れ惜しむ声「性格が温和で、最高の男」

[ 2013年8月27日 06:00 ]

1992年1月28日、「江戸っ子土橋を応援する会」で、尾上菊五郎(左)にビールをつがれる土橋正幸さん

土橋正幸氏死去

 プロ入り前は浅草のクラブチームに所属し、実家が同地の鮮魚店だった“江戸っ子エース”土橋正幸さんの死を、当時のチーム仲間もしのんだ。

 土橋さんはプロ入り前に高校卒業後、かつて浅草にあったストリップ劇場「フランス座」が保有していた軟式野球チームに所属。現在、改称した演芸場「東洋館」を運営する東洋興業の松倉久幸会長(78)によると父親が野球好きで、近所の野球大好き少年を集めてつくったチームだったという。

 自身も日大三高出身の内野手として同じチームで活躍していた松倉会長だが、土橋さんは「体が大きく、凄かった」と素質の高さに当時、脱帽させられた思い出を吐露。一方で「凄い選手という以上に性格が温和で、最高の男だった」とその人柄を惜しんだ。

 当時、土橋さんと一緒に投手を務めていたというさいたま市の男性は、「東映に入団する前、“3年間頑張って1軍に上がれなかったら、すぐに辞めて帰ってくる”と宣言したのを今も覚えている」と振り返った。

 土橋さんは芸能界の友人も多かった。92年に開催された懇親会「江戸っ子土橋を応援する会」では、同じ江戸っ子の歌舞伎俳優・尾上菊五郎(70)と酒を酌み交わし、楽しそうに歓談していた。

 晩年はフジテレビ「プロ野球ニュース」でも活躍。共演した元中日の谷沢健一氏(65)はツイッターで「解説者としても後輩に多くの手本を示してくれた」とコメント。出演していた元フジの山中秀樹アナ(54)も「愛すべき江戸っ子だった」とつづった。

 ◆追悼番組 CS「フジテレビONE」の「プロ野球ニュース」は27日、故人の思い出を語る追悼番組となる。ゆかりの深かった関根潤三、大矢明彦両氏が出演。

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2013年8月27日のニュース