楽天 榎本 プロ初打点で劇的サヨナラ 2軍で実績「魂で打ちました!」

[ 2013年8月25日 21:01 ]

9回1死一、二塁、サヨナラ打を放ち、歓喜の楽天・榎本

パ・リーグ 楽天6―5ロッテ

(8月25日 Kスタ宮城)
 右中間に高々と上がった打球が風にも乗ってグングン伸びると、人工芝の上にポトリと落ちた。プロ3年目、1カ月前に21歳になったばかりの楽天・榎本の今季初打席は劇的なサヨナラ安打となった。

 星野監督に何度も頭をたたかれ、ナインからも手荒い祝福を受けた背番号36は、プロ初打点となった一撃を「魂で打ちました!」と興奮冷めやらぬ口調で振り返った。

 将来の中軸候補として、10年に福岡・九州国際大付高からドラフト4位で入団。昨季1軍で初安打を放ったが、出場は16試合にとどまり、1軍のレベルの高さを痛感した。

 2月のオープン戦の試合前練習中に、別の選手が遠投した球を受けて右顎を骨折して出遅れていたが、今月21日に1軍から声がかかった。けがで登録抹消された聖沢の代役だった。それでもファームでは打率2割9分6厘で打撃成績9位、本塁打8本で自慢の打撃をアピールしての昇格だった。

 8回にジョーンズの代走で出場、そのまま指名打者として入っていたため巡ってきた今季初打席。「後ろにはいい打者が控えているので、思い切り振ろう」と2ボール2ストライクからの5球目、真ん中低めのボールをKスタ宮城の右中間まで運んで行った。

 劇的な勝ち方が増え、ニューヒーローが数多く登場するシーズンは、チームが優勝する傾向にある。楽天4点ビハインドから連夜の逆転勝ち、しかも3連勝目は“伏兵”が決めた。ソフトバンクが勝ち、マジック点灯は持ち越しとなったが、秋の最高の瞬間に向かって楽天が大きく前進した1勝だった。

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