楽天 星野チルドレンで大逆転 “2年越し”「よく俺も我慢して使った」

[ 2013年8月25日 06:00 ]

<楽・ロ>5回、枡田の左中間2点適時打に、楽天ナインはみんなで「バーン」

パ・リーグ 楽天7-5ロッテ

(8月24日 Kスタ宮城)
 ナインの、そして楽天ファンの夢を乗せた打球が左中間を深々と破った。決勝の2点二塁打。三塁ベンチはお祭り騒ぎ。二塁ベースに達した枡田にKスタ宮城のファンから大歓声が降り注いだ。

 「本当に魂を込めて打ちました。初回にいきなり4点ビハインドになったけど、追いつけるという雰囲気はありました」

 先発の辛島が初回にG・G・佐藤に満塁弾を浴び4失点。それでも打線は4回までにビハインドをはね返し、同点の5回1死一、二塁で打席が巡ってきた。低めのフォークを拾うようにしてミート。リストの強さで打球は伸びた。この決勝打で8月9日ソフトバンク戦(Kスタ宮城)から14試合連続安打となった。これで球宴後は打率・413。高卒8年目の26歳は打線に不可欠な存在だ。

 同学年の銀次も3回に反撃の右前適時打など2安打1打点。3番に定着してリーグの首位打者を争うまでに成長した。2人はつらい日々があったから現在の活躍がある。1年目の06年。2軍で遠征メンバーに入ることもできず、仙台市内にある2軍の練習施設でひたすらバットを振った。枡田は「地味な打撃練習の繰り返しで、うんざりすることもあった。銀次と2人で憂さ晴らしにカラオケに行ったこともありますよ」と振り返る。

 転機は昨年だ。星野監督は銀次と同様に守備に難がある枡田を我慢強く起用。天性の打撃センスが開眼し、規定打席未到達ながら打率・295、5本塁打、32打点の好成績を残した。枡田、銀次を二遊間で起用して両者が失策を連発した試合もあっただけに、星野監督も「よく俺も我慢して使った。でも、あいつらの打撃力が俺に我慢させたんや」と目を細める。

 指揮官にとって明大の後輩で、昨季は走塁ミスなどで怒りまくった2年目の島内も4安打。「星野チルドレン」の銀次、枡田、島内が3、6、9番に定着している打線は強い。球団創設9年目での悲願の初優勝へ、25日にも優勝マジックが点灯する。星野チルドレンに失うものはない。

 ≪逆転勝利は今季26度目≫楽天は満塁被弾による0―4の劣勢をはね返す逆転勝ち。逆転勝利は今季26度目となり、ロッテ、ソフトバンクの各24度を上回るリーグ最多。また、4点差以上の逆転も7月28日のロッテ戦以来3度目で、前出2球団の各2度を抑え最多になった。また、満塁本塁打を浴びた試合にチームは27連敗中だったが、勝利に結びつけるのは05年6月26日の西武戦以来8年ぶり2度目だ。なお、この日の勝利で、25日にも優勝へのマジックナンバーが点灯する。条件は楽天がロッテに○か△、ソフトバンクが西武に△か●ならM29か30が出る。

続きを表示

2013年8月25日のニュース